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前評判覆してV サッカーU-23代表、3つの勝因
サッカージャーナリスト 大住良之

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2016/2/1 6:30
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「6大会連続出場」をかけるという重圧をはねのけてオリンピック出場を決めただけでなく、韓国に逆転勝ちして優勝――。手倉森誠監督率いるサッカー男子のU-23(23歳以下)日本代表はカタールで開催されたU-23アジア選手権で見事初優勝を飾り、五輪へ向け、さらに大きな経験を積んだ。

U-23アジア選手権決勝で韓国を破り優勝、喜ぶ日本イレブン=共同

U-23アジア選手権決勝で韓国を破り優勝、喜ぶ日本イレブン=共同

切り札投入、FWに浅野と久保並べる

決勝戦は非常に苦しい試合だった。立ち上がりから韓国のドリブルを交えたパスワークに翻弄され、20分に先制点を許す。

今大会の韓国の攻撃陣は、近年の韓国代表とは大きくイメージの違う構成だった。ワントップに大きな選手を置くのはこれまで通りだが、2列目に小柄でテクニックのある選手を3人並べ、流動的に動きながらパスワークで守備を崩していくというプレーを見せたのだ。20分の先制点はMF文昶真がドリブルで日本の守備を右に引きつけ、左に大きく振って折り返したところに右からMF権昶勲が走り込み、日本の守備陣が混乱したことで生まれた。

一方的な韓国ペースで進み、日本はシュートチャンスさえないという形で前半が終了すると、手倉森監督はFWオナイウ阿道に代えてMF原川力を投入、システムを4-2―2-2から4-3―3へと変更した。前半つかみきれなかった文昶真を止めようという守備面の変更だったが、いきなり痛撃を食らった。

47分、右サイドにボランチの李昌珉が走り込んで突破、中央に送ると、ゴール前はFW陳成昱とMF柳承祐の韓国勢2人に対し日本は右から絞ったDF室屋成ひとり。陳成昱のシュートがゴールを破ったのだ。

2点をリードされて、ようやく手倉森監督が切り札投入の決断をした。60分、MF大島僚太に代えてFW浅野拓磨を入れ、再び4-2―2-2システムに戻してFWに久保裕也と浅野を並べたのだ。

韓国戦の前半、指示を出す手倉森監督=共同

韓国戦の前半、指示を出す手倉森監督=共同

スイスのヤングボーイズでプレーする久保は、間違いなく今大会の日本の攻撃のけん引車だった。高い技術とスピード、そしてシャープなシュート力だけでなく、最後まで走り、戦う姿勢を見せた。今回の代表23人のなかでずぬけた存在だった。

そして攻撃陣で久保に負けない可能性を感じさせたのが浅野だった。昨年のJリーグやクラブワールドカップで見せたスピードと技術レベルの高さは、このチームの大きな力になるはずだった。

ボール奪った後、1本目のパスに欠陥

しかし昨年12月にJリーグのチャンピオンシップ、クラブワールドカップ、そして天皇杯でも準決勝まで戦った疲労を考慮してか、手倉森監督はこの浅野を使う時間を可能な限り短くしようと考えているようだった。

FW鈴木武蔵、オナイウといった大柄でフィジカルの強い選手を2トップのうち少なくとも1人は必要というのが手倉森監督のサッカー観のようだが、それにしても、基本的に久保と浅野を並べることがなかったのは大きな疑問だった。2人はサウジアラビア戦でともに途中出場し、5分間だけ同時にピッチに立ったが、準決勝まで実に3試合で久保から浅野という交代が行われたのだ。

「戦力の逐次投入」が愚策中の愚策であることは、兵法の常識である。90分間をどう戦うかのプランがあったとしても、日本の最大の武器を組み合わせて使わず、「逐次投入」することで、日本は危うく五輪出場を逃すところだった。

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