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青学大、箱根駅伝連覇へ視界良好 東洋大など対抗馬

第92回東京箱根間往復大学駅伝(2016年1月2~3日)は青学大が優勝候補の筆頭に挙がる。1万メートル28分台の選手がずらりと並び、総合2連覇へ視界は良好。11月の全日本大学駅伝で初優勝した東洋大や駒大、早大が対抗馬となる。

青学、1万メートル記録で圧倒

前回大会で伏兵と位置付けられた青学大は、5区と6区の延伸でコース全体の距離が長くなったにもかかわらず、10時間49分27秒と大会最高記録で初の総合優勝を果たした。なかでも、800メートル超を上る5区(23.2キロ)で当時3年生の神野(かみの)大地が1時間16分15秒と、東洋大の柏原竜二(現富士通)が2012年にマークした区間記録を24秒上回った走りは駅伝ファンの喝采を呼んだ。

全日本大学駅伝で2位でゴールし、苦しそうな表情を見せる青学大のアンカー・神野=共同

その神野だが、快走の再現は難しいかもしれない。主将となった15年は2月に左大腿骨、6月に右すねを疲労骨折した。11月の全日本は最終の8区を走って区間8位。レース後、今度は左すねの痛みを訴えた。今も本調子ではなく、箱根での目標タイムは1時間20分。「1時間18分30秒は切れると思う」と話した前回より控えめだ。

それでも優位が揺らがないところが今季の青学大の強さ。今年のユニバーシアードでハーフマラソン金メダルの小椋裕介(4年)、日本学生選手権優勝の一色恭志(3年)らタレントがそろう。10月の出雲駅伝3区と全日本4区で区間賞の久保田和真(4年)は29日の区間エントリーでは補欠に回ったものの、戦略的な観点での措置とみられ、出場するだろう。エントリーされた16選手のうち1万メートル28分台以内は11人と、出場21チームの中でずぬけている。

出雲を制しながら全日本は2位。原晋監督は「アンカーの神野に頼って(他のメンバーの気持ちが)ぽやんとしていた」と説明する。今季を通じ、メンバー全員が「神野頼みではだめという気持ち」(監督)を絶えず持ってきたはずが、いざというときに綻びが出た。

学生3大駅伝の同一シーズン制覇の夢はついえたものの、全日本での敗戦は、無敵と目された自分たちのおごりを戒める意味でプラスに働く効果があるだろう。エース級が何人もいるだけに神野の負担は軽くて済み、箱根では区間賞争いに絡めば御の字。「往路で1位なら総合優勝できる。1位でなくても(トップとの差が)1分以内なら優勝できる」と原監督は自信をみせる。

箱根駅伝に向けて練習する東洋大の服部勇馬(左)と弟の弾馬=共同

往路に勝負かけたい東洋、駒大

他の大学にとっては往路でいかに青学大に食い下がるかがポイントとなる。その点で貴重な成功体験を持つのが東洋大。全日本は主将の1区・服部勇馬(4年)、2区・服部弾馬(3年)の兄弟と3区の口町亮(3年)が区間トップと序盤で青学大を抑え、大会初優勝への流れをつくった。

同じく先行逃げ切りを期す箱根で重要な役割を担うのが、3年連続で2区(23.1キロ)を走る服部勇。前回、1時間7分32秒で区間トップだった服部勇は単に区間賞を取るだけでは飽き足らず、1時間6分台を目標に据える。「6分台は過去の日本人選手で3人しかいない。その一人になれれば(他チームに)差をつけられる」

問題は5区。前回、青学大・神野に約6分の差をつけられた五郎谷俊(4年)が再び大差をつけられるようだと厳しい。酒井俊幸監督は「往路を終えた時点でトップとの差が1分以内なら勝機はある」と話しており、五郎谷の出来が勝敗を左右しそうだ。

往路勝負に並々ならぬ決意を表しているのが駒大の大八木弘明監督。今回は「青学大が断トツで力がそろっている」と警戒心をあらわにし、「往路優勝しないと青学大には勝てない」。ユニバーシアード1万メートル3位の中谷圭佑(3年)を2年連続で3区に据えたほか、前々回10区2位、前回9区3位の其田健也(4年)を初の往路となる1区に抜てきした。

区間エントリーでは5区に紺野凌矢(2年)が登録されたが、出雲も全日本も走っていない紺野がそのまま走るかどうか。有力視されるのは、区間エントリーではともに補欠に回った馬場翔大(4年)と大塚祥平(3年)だ。

箱根駅伝で8大会ぶりの優勝を狙う馬場(左端)ら駒大の選手=共同

2区走る主将、早大のカギ握る

前回5区を務めた馬場はトップでたすきを受けながら寒さから低体温症を発症し、みるみる失速。青学大の神野らにかわされ、最後は倒れては起き上がる繰り返しの末にゴール。最終的に神野に8分超の差をつけられ、区間17位に沈んだ。

往路4位のチームは復路で盛り返して総合2位に食い込みはしたが、優勝候補の本命に挙げられながらの敗戦に、馬場のショックは大きかった。

このときの失速だけを見れば「山に弱い」と思われがちだが、2年生で5区を3位で走っており、上りの適性はある。ただ、12月の取材では「5区だけが箱根じゃない」と消極的ともとれる姿勢を見せている。

大塚は8月の十和田八幡平駅伝に大学選抜チームの一員として出場し、約600メートルを上る5区(14.1キロ)で実業団選手を抑えて区間トップの記録を出した。

箱根は1年生から2年連続で8区を走り、前々回が6位、前回は2位だった。平地も上りもこなせるとあって、どの区間に配するか「悩むところ」と大八木監督。馬場との兼ね合いもあり、レース当日まで悩むことになるのかもしれない。

早大は2区を走る主将、高田康暉(4年)が鍵を握る。15年夏、右ふくらはぎに血流の異常による「コンパートメント症候群」を発症。出雲と全日本は出場できなかった。現在は回復し、箱根への出場には支障がない状態だという。今季就任した相楽豊監督は「彼が2区に収まったときが本来の形」と話していただけに、まずは戦闘態勢が整って一安心といったところだろう。

往路勝負を決め込む駒大・大八木監督と対照的に、相楽監督は「今回は復路でも勝負できるメンバーがそろっている」。自信の源は3年連続で6区を走る山下りのスペシャリスト、三浦雅裕(4年)の存在で、前回は区間賞、前々回も2位。5区初挑戦の安井雄一(2年)が踏ん張り、三浦が実力通りに快走できれば復路勝負への流れができる。

(合六謙二)

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