勝利のメンタリティー(山本昌邦)

フォローする

15年の日本サッカー、視聴率で読み解く「明と暗」

(1/3ページ)
2015/12/30 6:30
保存
共有
印刷
その他

いろいろなことがあった2015年も終わろうとしている。1年を締めくくる意味で今年、サッカー界で気になったことをテレビの視聴率(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を基に自分なりにまとめてみた。大きく分けるとチャンピオンシップを導入したJリーグに明るさを感じる一方、男子のフル代表の先行きが気になる1年だった。

チャンピオンシップに様々な意見

チャンピオンシップを導入したJリーグに明るさを感じた=共同

チャンピオンシップを導入したJリーグに明るさを感じた=共同

チャンピオンシップに対していろいろな反対意見があることは知っている。実際、問題点はある。Jリーグもすぐに手を打った。来年の同制度から延長戦を廃し、1回戦と準決勝では正規の90分で同点の場合は年間勝ち点で上位のチームが次のラウンドに進めることにした。

この変更は、今年のチャンピオンシップ準決勝で年間勝ち点72の浦和(第1ステージ優勝)と同63のG大阪が戦い、90分では決着がつかず、延長戦を制したG大阪が決勝に進んだことで物議をかもしたことを受けたものだろう。

G大阪は決勝で広島(第2ステージ優勝)に敗れたけれど、年間順位は、勝ち点74の広島と72の浦和の間に入って2位におさまった。これではレギュラーシーズンの頑張り、努力はいったい何なのか、という不信感を募らせるファンが出て当然。来年からは年間勝ち点上位のチームをステージ優勝チームよりチャンピオンシップで優遇することになった。これで同じように年間の勝ち点上位チームを優遇するJ1昇格プレーオフ制度との整合性も取れるようになった。

単純にチャンピオンシップを導入してよかったと思う数字がある。地上波で全国中継された試合の平均視聴率の動きである。優勝争いがヤマ場に入った秋からの視聴率の推移を見ると、10月24日のFC東京対浦和戦は2%しかなかったのに、11月28日のチャンピオンシップ準決勝の浦和対G大阪戦は5%を超え、12月2日の広島とG大阪のチャンピオンシップ決勝第1戦は7.6%、最終戦は10%をクリアした。

捨てたものではないJリーグの水準

今季を総括するJリーグの村井満チェアマン(22日)=共同

今季を総括するJリーグの村井満チェアマン(22日)=共同

チャンピオンシップで実現した浦和対G大阪、広島対G大阪の計3試合はどれも闘志と緊張感がみなぎり、技術的にも戦術的にもJリーグのトップレベルを示すものだった。試合の中身が濃くて、リーグとクラブ関係者が一体になって告知に努め、メディアの協力も得れば、これくらいの数字はたたき出せることがわかった。

「優秀な日本の選手は欧州にいる。国内にスターはいない」「世界のトップリーグに比べて中身で劣る」とかJリーグに対して、何かとネガティブな意見を吐く人がいる。が、広島が先のクラブワールドカップ(W杯)で3位と大活躍したように、Jのレベルは決して捨てたものではない。見せる工夫をしてその価値を浸透させれば、日本代表戦しか興味がないような一般の視聴者も振り向かせられる可能性をチャンピオンシップは証明したように思う。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

サッカーコラム

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップスポーツトップ

勝利のメンタリティー(山本昌邦) 一覧

フォローする
タジキスタン戦で先制ゴールを決める南野(9)=共同共同

 今、日本ではラグビーのワールドカップ(W杯)の話題で持ちきりだが、サッカー日本代表も2022年W杯カタール大会のアジア2次予選を3戦全勝と順調に勝ち進んでいる。
 6―0と一蹴した埼玉スタジアムのモン …続き (10/24)

W杯カタール大会アジア2次予選の初戦でミャンマーに快勝し、タッチを交わす日本イレブン=共同共同

 サッカー日本代表は9月から始まったワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選を、10日のミャンマー戦に2―0と快勝して順調に滑り出した。来年の東京オリンピック・パラリンピックを視野に置きつつ、 …続き (9/26)

タイ代表監督に就任し、ユニホームを手にポーズをとる西野朗氏。左はタイ・サッカー協会のソムヨット会長(7月19日)=共同共同

 サッカーの西野朗・前日本代表監督がこのほど、タイに渡って代表チームの指揮を執ることになった。アジア各国で日本のコーチや審判が指導や養成、強化の制度設計に携わることは今や珍しいことではない。それでも今 …続き (8/15)

ハイライト・スポーツ

[PR]