2019年7月24日(水)

サッカー、規律乱すスーパースターの資産価値
フットボールライター 森昌利

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2015/12/28 6:30
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12月17日、大不振の責任を取らされ、ついにチェルシーのモウリーニョ監督が解任された。その最大の理由をひと言で表すと「選手の支持を失った」ということになる。しかし、これはモウリーニョ監督の資質の問題だったのだろうか。この解任も、最も豊かなクラブの一つで起こった「当然の帰結」だという気がしてならない。

「Great winner now a great whinger」。これは長年、BBCの解説者を務める元アイルランド代表のマーク・ローレンセン氏が11月に発したコメントだ。

モウリーニョ監督が10月のウェストハム戦のハーフタイムに主審に詰めより不当な発言をして、イングランド・サッカー協会(FA)から今季2度目の処分を科せられた直後の言葉である。whinger(ウィンジャー)というのは四六時中、文句ばかり言っている人。つまり、モウリーニョ監督が「偉大な監督からとてつもないクレーマーになった」ということだ。

確かに今季のモウリーニョ監督は開幕前から少しおかしかった。妙に張りつめていて、余裕がなく、過剰ともいえる発言を繰り返した。

チェルシーで選手の管理は至難の業

たとえば、レアル・マドリードのベニテス監督夫人に対する発言。彼女が「私の夫はいつもモウリーニョの尻拭いをしている」とマスコミに漏らすと、猛然と反論し、「私のことを気にするより、自分の夫のダイエットに留意すべきだろう」と言い放った。

そして、前述したローレンセン氏が「ウィンジャー」と言ってあきれた、度重なる主審批判。1カ月に2回もFAから4万ポンドの罰金と1試合のスタジアム入場禁止処分を科された。

ここまでモウリーニョ監督を追い込んだものは何だったのか?

レドナップ氏のコメントを思い出してほしい。移籍金が2000万ポンド級の選手ともなれば、クラブも容易に手出しができず、扱いが難しくなると指摘している。

チェルシーの場合、レギュラーどころか、ベンチウォーマーにもクラブが「大切な資産」と認知し、特別扱いをしなければならない選手がごろごろしている。その管理はまさしく至難の業だろう。

選手との協調を大事にする監督なら、そういう状況下でもある程度うまくチームを運営できるかもしれない。レアル・マドリード前監督のアンチェロッティ氏などはその最右翼だ。しかし、モウリーニョ監督のような剛腕タイプは選手のエゴを、それ以上のエゴで押さえ込む。

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