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親子でランニング練習 型にはめず、「遊び」要素も
ランニングインストラクター 斉藤太郎

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2016/1/4 6:30
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 冬休み、お子様と親子でランニングをする家族も多いと思います。長く関わらせていただいているジュニアランニング指導のお仕事の一つに、公益財団法人ベルマーク教育助成財団が主催する「走り方教室」の講師があります。へき地の子どもたちへの心に残る贈り物をコンセプトとした事業で、中学生や小学生に指導しています。そこで取り入れている練習法を紹介し、子どものランニングトレーニングについてお話をしてみたいと思います。

 12歳頃までの子どもたちにとっては、黙々と走りこむような持久力運動よりも、いわゆる運動神経の発達を考慮した運動に取り組むべき時間だといえます。跳んだり跳ねたり、時には障害物を飛び越えるなどして野山を走り回るようなイメージ。そんな野性的な運動が適しているといえます。

子どもたちには「楽しさ」「遊び」の要素を取り入れて走らせたい

子どもたちには「楽しさ」「遊び」の要素を取り入れて走らせたい

 それから「練習」という概念ではなくて、「楽しさ」「遊び」の要素を含めて走ることが理想です。追いかけっこなどもその中に含まれますが、逃げたり追いかけたりする必要があるから、前後左右に素早く体重を移動させる。ダイナミックな動きをして、転ぶような経験を繰り返して徐々にランニングフォームが洗練されてくる。そんな時期だと考えてください。

粗削り&大きな動きをする子どもたち

 タイムと結果を求めるようなことはあまりしたくありません。のびのびと良いイメージで走ってもらいたいと思っています。募集型の教室では駆けっこを本気で習いたい子が集まりますが、ベルマーク教室のように学校単位でこちらが伺う形の教室では、駆けっこが苦手な子が必ずいます(駆けっこが好きな子にとってはまたとない好機ですけど)。その子たちには嫌な時間となってしまう可能性があるのです。

 ですので、競走を取り入れるにしても、次のようなルールで進めます。「途中まではコーチの前を走ってはダメ、コーチの後ろでポジションを争うようなゆっくりラン。笛が鳴ったらフリー。ゴールまでギアチェンジラン」。こんな感じで取り組むと、得意ではない子も、(初めから全力走を強いられず)ストーリーのある展開にワクワクしながら走ってくれます。

 親子で取り組む場合にはこんな感じでどうでしょうか。途中まではゆったりリラックスラン。時にはスキップを含めます。そしてゴールまでの残り数十メートルを競走。こんな展開です。

 足運びも腕振りも、振り子になる四肢が短いので、粗削りながらもとても大きな動きをします。そこを大人の感覚で指示して型にはめるようなことはすべきではないと思います。

 私は剣道をしていたのですが、剣道には「型」(基本型)があります。振りかぶったときには、拳をおでこからげんこつ1つ分空けたところに持っていき、竹刀は後方へ45度傾ける、と習いました。決められたスタイルを守って、繰り返し稽古に取り組む。姿勢、忍耐、相手への敬い。そうした数々の側面は武道のすばらしさだと思います。ですが、子どもにとって地味な稽古を乗り越えるのはしんどいことでもあります。剣道(試合)をしたいという気持ちであふれているからです。

 一方でランニングには「型」はありません。理想的なフォーム像や諸理論はありますが、この時期にはそれはひとまず置いておき、子どもたちには自由に楽しく走らせてあげたいと考えています。

《映像に焼き付けること》

 テレビで見た憧れの選手のまねをした経験はありませんか? はじめは模倣から始まります。そのためには言葉ではなくて、フォームを見てイメージとして脳に焼き付ける(共感する)という手順が必須です。教える人が、美しいフォームで見本をやってみせてあげることがとても大切なのです。それと合わせて、細かい理屈や数字でアドバイスをするのではなくて、「ピューッ」「ポーン」などの擬音をあえて多く使って映像イメージを植え付けてあげるよう心掛けています。私はそういう意味で、スーツを着て指示を出すような指導者ではなくて、共に体を動かすインストラクターでありたいと思っています。

 余談ですが、駅伝ではどのチームも一番速い選手に皆のフォームが似てくるといわれています。練習で先頭を走るチームのスター選手に無意識のうちに共感しているのだと思います。

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