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森保一に日本代表監督が務まる3つの理由
サッカージャーナリスト 大住良之

(2/3ページ)
2015/12/25 6:30
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2日から20日まで19日間で6試合。疲労が蓄積しているはずのシーズン終盤にこれだけ集中した戦いをしながら、最後は運動量で圧倒した広島のサッカーは圧巻だった。

この戦いのなかで改めてクローズアップされたのが指揮官・森保の尋常でない統率力である。

森保監督はハリルホジッチ監督の後任候補に大きく浮上したといってよい=共同

森保監督はハリルホジッチ監督の後任候補に大きく浮上したといってよい=共同

これまで、日本人監督は国際舞台で力を発揮する機会がほとんどなかった。日本代表の監督選びが最初から外国人指導者に絞られてきた最大の理由は、指導者としての能力以上に、国際舞台での「実績」を求めたためだっただろう。現在のバヒド・ハリルホジッチ監督が選ばれたのも、昨年のワールドカップでアルジェリア代表を率い、決勝トーナメント1回戦でドイツを追い詰めた(延長戦で1-2の敗戦)実績がものをいったはずだ。

ハリル監督の後任候補に大きく浮上

しかし今回のFCWCで、森保監督は十分「世界と戦う力」を持っていることを証明した。2018年ワールドカップ後、あるいはハリルホジッチ監督で行き詰まったときの後任候補に大きく浮上したといってよい。

第1に、チームのすべてを「勝利」に結集させる力だ。

広島は「スター軍団」ではないうえに、毎年のように主力が流出している。今季前にも、FW佐藤寿人をサポートする「シャドー」として昨年まで重要な働きをしてきたMF石原直樹が浦和へ、そしてMF高萩洋次郎がオーストラリアに移籍した。だが森保監督は動じず、新加入のブラジル人FWドウグラスとこれまでずっとボランチだったMF柴崎を「シャドー」に据え、J1の34試合で73得点という他を圧する得点力を実現した。

今季の広島は新加入のドウグラス(手前)らの活躍で他を圧する得点力を実現した=共同

今季の広島は新加入のドウグラス(手前)らの活躍で他を圧する得点力を実現した=共同

「プロとして勝つことにこだわる。勝つために一人ひとりが成長しながらチームとして成長することを目指し、タフに粘り強く戦って、Jリーグでも勝ち点を積み重ねてきた」(森保監督)

そして勝利をつかむための守備の整備。それが森保監督を日本代表監督にしたい第2の理由だ。

広島の守備はとにかくよく粘る。決定的なピンチと思った瞬間にも、誰かが最後のところで体を張り、シュートをブロックしている。驚くのは、鮮やかに崩されたという場面でも、選手たちがまったくパニックにならないことだ。1人が抜かれ、カバーの選手も外されても、第3、第4の選手が執拗に追いすがってくる。その瞬間になすべきことをチーム全員がそれぞれ遅滞なく、そしてちゅうちょなく実行するというのは、並大抵のことではない。

この半ばオートマチック化した守備の連なりこそ、森保監督が広島にもたらした最大の財産であり、12年に就任してから4シーズンのJリーグで3回の優勝を勝ち取った根源的な力だった。

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