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成長続く南米サッカー クラブレベルも高水準の戦い
サッカージャーナリスト 沢田啓明

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2015/12/23 6:30
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昨年のワールドカップ(W杯)ブラジル大会で躍進し、なおも成長を続ける南米サッカーの今年の歩みを振り返りたい。

まず、2月から8月まで南米各国とメキシコの強豪38クラブ(予備戦を含む)が参加して行われたコパ・リベルタドーレスで、39歳のガジャルド監督が推し進める攻撃的スタイルを貫いたリバープレート(アルゼンチン)が19年ぶり3度目の優勝を遂げた。

2部リーグから3年後、南米頂点に

リバープレートは、伝説のFWディ・ステファノ、ウルグアイサッカー史上最高の選手と評されるMFフランチェスコリ(現在、クラブのゼネラルマネジャーを務める)らそうそうたる名手が歴史を築いた南米有数の名門だ。財政状況の悪化と選手育成の停滞から2011年にクラブ史上初めて2部へ降格。しかし、翌年、2部を制覇して1部へ復帰すると、昨年、通算36度目のリーグ優勝を達成して今年のコパ・リベルタドーレス出場権を獲得した。

ただし、1次リーグでは1勝4分け1敗で辛うじて2位。決勝トーナメント1回戦で、1次リーグで6戦全勝の同国の宿敵ボカ・ジュニアーズと激突した。

ホームで行われた第1節で1-0で勝ち、アウェーでの第2節で前半を0-0で終えたところ、ハーフタイムにボカ・ジュニアーズのサポーターがリバープレートの選手通路に猛獣や暴徒鎮圧用の強烈なスプレーを放射。4選手が目の痛みを訴え、火傷を負ったことから没収試合となり、南米サッカー連盟はボカ・ジュニアーズに失格処分を下した。

常識ではちょっと考えられない南米ならではの混乱だったが、リバープレートにとってはこの"勝ち上がり"が大きかった。以後、若手FWアラリオらの活躍でクルゼイロ(ブラジル)、グアラニー(パラグアイ)を下し、決勝でもティグレス(メキシコ)とアウェーで引き分けた後にホームで快勝。12年に国内2部リーグで戦っていたクラブが、わずか3年後、南米の頂点を極めたのである。これほど劇的なV字回復は、世界でもまれだろう。

コパ・アメリカはチリが悲願の初V

6月から7月にかけては、代表レベルの南米王者を争う南米選手権(コパ・アメリカ)が開催された。

地元チリが、昨年のW杯でも見せた驚異的な運動量と素早い攻守の切り替えを存分に発揮。ペルー代表FWゲレーロ(フラメンゴ)とともに大会得点王に輝いたFWバルガス(ホッフェンハイム)、攻守に貢献したMFビダル(バイエルン・ミュンヘン)、小柄ながら的確なポジショニングと優れた判断力で守備陣を統率したCBメデル(インテル・ミラノ)らが原動力となって準々決勝でウルグアイを、準決勝でペルーを倒す。そして、決勝でアルゼンチンをスコアレスドローの末にPK戦で下し、悲願の初優勝を果たした。

近年不振をかこっていたペルーとパラグアイが健闘してベスト4に食い込んだが、ブラジルは準々決勝で敗退。昨年のW杯に続いて、国民の期待を裏切った。

10月には、18年W杯南米予選が開幕。参加10カ国が年内におのおの4試合を消化したのだが、波乱が続出した。

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