2019年6月25日(火)

ジョコビッチも出資 テニス「丸ごとデータ化」日本上陸

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2016/1/3 6:30
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日経テクノロジーオンライン

 男子プロテニスの錦織圭選手も認める異次元の強さを放つ、ノバク・ジョコビッチ選手。世界ランキング1位の彼が出資し、テニス界の「テクノロジー革命」として注目を集めるイスラエル発のサービスが日本に上陸した。

「使ってみて正直、驚いた。携帯電話がガラケーからスマホ(スマートフォン)に進化した時と同じような感覚を味わった」

SmartCourtの構成。高精細のビデオカメラ6台とコートサイドの中央にキオスク端末が設置してある(画像:PlaySight)

SmartCourtの構成。高精細のビデオカメラ6台とコートサイドの中央にキオスク端末が設置してある(画像:PlaySight)

車いすテニスでシングルス世界ランキング1位の国枝慎吾選手など複数のプロ選手が練習拠点とする、千葉県柏市の吉田記念テニス研修センター。ここでアシスタントGM(ゼネラル・マネージャー)を務める吉田好彦氏は、テニス界で注目を集める"そのシステム"を使った感想をこう語る。

そのシステムとは、イスラエルのベンチャー企業PlaySightが開発したテニス専用の映像解析システム「SmartCourt」。2015年11月第2週、日本で初めて吉田記念テニス研修センターに導入された。冒頭の吉田氏のコメントは、決して大げさではない。「アナログからクラウドの世界へ一足飛び」で進化するような体験がそこにある。

テニス界では、たとえプロ選手のレベルであっても、プレーデータの記録はいまだに手書きの場合が多い。「通常、ラリーの回数も選手が声を出して数えている」(吉田氏)。SmartCourtを使うとコート上のプレーデータはすべて自動で記録され、ビデオや3DのCG(コンピューターグラフィック)映像ですぐに確認できる。テレビでテニスの試合を見ている際に表示される各種のデータ(スタッツ)が、一般のプレーヤーであっても即座に入手できる。ラリーの回数などのデータが自動で記録されることで、選手がプレーに集中できるようになるという。

PlaySightのChen Shachar CEO(一番左)と吉田記念テニス研修センターの吉田宗弘理事長(左から2番目)ら。2015年11月18日撮影(写真:吉田記念テニス研修センター)

PlaySightのChen Shachar CEO(一番左)と吉田記念テニス研修センターの吉田宗弘理事長(左から2番目)ら。2015年11月18日撮影(写真:吉田記念テニス研修センター)

実は、PlaySightが注目を集める理由がもう一つある。男子シングルスの世界ランキング1位にして、2015年は公式戦で81勝6敗と"無敵"の強さを誇ったノバク・ジョコビッチ選手や、女子テニスの名選手だったビリー・ジーン・キング氏などが出資しているのだ。ジョコビッチ選手はSmartCourtについて「スポーツの世界に革新をもたらす技術だ。膨大なデータを取得して自分のゲームの分析や改善をサポートしてくれる」とコメントしている。

■6台のカメラとキオスク端末で構成

SmartCourtの画面例

SmartCourtの画面例

SmartCourtは、6台の高精細ビデオカメラと1台のキオスク端末で構成される。カメラはベースラインの後方にそれぞれ3台ずつ設置。カメラでプレーヤー(最大4人)とボールの動きを捉え、その映像をコートサイドの中心に設置したキオスク端末に送ってプレーを解析する。

取得できるデータの種類は多い。サーブのスピード、スイングの種別(フォアハンド/バックハンド)、ストロークにおけるボールのスピードや回転、コート上のボールの着地点、など。さらに選手の走行距離や消費カロリーも算出する。

キオスク端末は試合中、スコアボードとして使えるほか、まるでプロの試合のようにボールがインか、アウトかという「ライン判定」もしてくれる。PlaySightによると、ライン判定の精度は約95%。吉田氏は「現状、精度についてはまだまだ調整が必要だが、使っていくうちにアジャストすると聞いている」と話す。

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