岩隈破談の原因? メジャーの身体検査とは

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2015/12/27 6:30
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ヨーカムさんの診察を受けるため、日本からはるばるロサンゼルスを訪ねました。先生はまず「肩を回してみなさい」と言いました。ぐるぐる回します。それでOK。続いて肘、膝を動かしてOKです。

先生が私の腕を押さえて、十分な力が入るかどうか、リハビリの過程で行うような負荷テストもありましたけれど、検査はこれだけです。

大先生の診察ということで、ちょっとどきどきしていたのですが、あっという間でした。このためにわざわざロサンゼルスまで来たのか、と拍子抜けしましたが、やはり先生のお墨付きの信用性は絶大でした。

もちろん、岩隈投手が受けたチェックはもっと細かいものだったはずです。ただ、同じ診断結果に対して、ドジャースは否定的な見方をし、マリナーズはおそらく問題なしとして契約に至ったわけですから、もし身体検査でひっかかったのだとしても、深刻なものではなく、データをみる側の微妙な解釈の問題だったのではないでしょうか。

マリナーズと再契約し、記者会見で抱負を語る岩隈=共同

マリナーズと再契約し、記者会見で抱負を語る岩隈=共同

ビッグマネーだけがやりがいではなく

ドジャース移籍が目前で消えてしまったことは岩隈投手にとってアンラッキーでした。マイナーからメジャーに昇格した選手、あるいは日本からメジャーに移籍した選手には、最初のクラブで実績を作り、FAとなったところで、大型契約を用意できるビッグクラブへ、という"出世"のパターンがあります(田中将大投手のように最初からヤンキース=ビッグクラブというケースは別ですが)。34歳と脂が乗りきった岩隈投手はまさに「売り時」でした。

結局、古巣のマリナーズと1年契約を結び、残留することになりました。条件は定かではありませんが、保証された契約は、ドジャースの提示には及ばないのは確かでしょう。ただし、オプションを含めればそれほど大きくは変わらないはずです。

結果的にそれがどう出るかは本人を含め、誰にもわからないことです。岩隈投手の残留を願っていたマリナーズの球団関係者やファンの皆さんにとっては朗報だったはずです。岩隈投手も球団への愛着はあったでしょうし、慣れたマウンド、慣れたアメリカンリーグで投げるのも悪くありません。

選手にとっての「やりがい」とは何でしょう。

私はオリックスからメジャーに移籍するに当たって、ファンの熱さを重視しました。カージナルスが本拠地を置くセントルイスは「ベースボール・ヘブン」と呼ばれています。

ファンの方々がとてもよく野球を知っていて、選手に温かいのです。その声援を受けて、選手がどんどん立派に育っていくという定評がありました。メジャーの選手のほとんどが「引退までに一度はプレーしてみたい」と口をそろえるのがカージナルスなのです。

セントルイスでプレーした日々は文字通り、ヘブン=天国にいるようにすばらしいものでした。

ビッグマネーが飛び交うメジャーですが、選手は決して金銭面の条件だけで球団を決めているわけではありませんし、それだけでやりがいが決まってくるわけでもありません。岩隈投手もそれは同じことだと思います。

(野球評論家)

 「ポストゲームショー」は今回で終わります。田口壮氏には引き続きご執筆いただき、新年1月から毎月、オリックス2軍監督として、育成現場の「今」をリポートしていただきます。未来のスターたちの素顔、ファームの厳しさなど現役指導者ならではのライブ感あふれるコラムにご期待ください。
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