阪神・上本、「熱きリーダー」候補 チーム変革の要に
スポーツライター 浜田昭八

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2015/12/20 6:30
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投手が連打されるか四死球を連発したとき、内野手がマウンドへ走り寄って激励する。大抵は「チームリーダー」と呼ばれる選手だ。ところが、阪神でそれをやるのは新顔の"外様"である西岡剛や今成亮太だ。その任にあると思われる鳥谷敬は一拍遅れて出ていく。クールな男なので、アマ選手がやるような激励シーンを演じることができないのだ。

監督が金本知憲に代わって、チームスローガンに「超変革」を掲げた。鳥谷も「おまえが変われ」とハッパをかけられているが、クールなプレースタイルを変えそうにない。代わって熱いムードづくりのけん引役を任されそうなのが、上本博紀である。

「超変革」を掲げる金本監督(中央奥)。チームの熱いムードづくりのけん引役として上本に期待がかかる=共同

「超変革」を掲げる金本監督(中央奥)。チームの熱いムードづくりのけん引役として上本に期待がかかる=共同

二塁手争いは激戦、外野の練習も

広島・広陵高では1年生から二塁のレギュラーになって甲子園大会に4度出場。2年生春に全国制覇を果たし、3年生では主将を務めた。早大へ進むと1年春から二塁のレギュラーを占め、卒業するまで全試合、全イニング出場を果たした。4年生では主将。プレーでの実績、リーダーシップともに、阪神のチームリーダーになるのに申し分ない存在だ。

問題は二塁のレギュラーになれるかどうかだ。控え組にとどまっても、ベンチで大声を上げて士気を鼓舞することはできる。だが、打って、守って、走る姿でナインを引っ張ってこそ、真のチームリーダーといえるだろう。阪神の二塁は激戦ポジションであり、上本がそこを占める保証はない。

その空気を察して、上本は秋季練習で外野の練習にも取り組んだ。現有戦力を幅広く使いたい金本監督は、遊撃鳥谷、右翼福留孝介ら一部選手を除いて、各選手に「ダブルポジション」への挑戦を勧めた。出場機会が増えるかもしれないので、準レギュラークラスの選手は歓迎している。上本にも異存はない。

入団6年目の2014年にケガの西岡を抜いて二塁のレギュラーに収まった上本だが、すんなりとその地位を保っているわけではない。15年はケガもあって前年より出場試合数は減った。辛くも規定打席に到達したが、成績は落ちた。そればかりか、ケガで休んでいる間に代役を務めた(前田)大和が活躍したので、胸中は穏やかでなかった。

競争に勝つには打撃・守備磨く必要

大和は内野手で入団したが、最近では器用に外野手をこなしていた。二塁に緊急起用されると、上本をしのぐ好守備を見せて周囲をうならせた。上本が危機感を抱いて、監督の「外野もやってみるか」という呼びかけに「チャレンジします」と答えたのも理解できる。

それでも、一度は手にした二塁に愛着はある。だが、強敵がもう一人いる。ケガが癒えた西岡である。監督は三塁に据えたいようだが、本人が二塁に強く執着している。上本、大和との三つどもえの競争になるのは覚悟の上だ。

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