メジャー挑戦の前田 理想は先発3、4番手

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2015/12/13 6:30
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広島の前田健太投手(27)がメジャー挑戦を認められ、ポスティングシステム(入札制度)の手続きが始まりました。実力的に通用するのは間違いないのですが、田中将大投手(ヤンキース)らと同様「異なる野球」への対応が当然、課題となってきます。

今季の前田投手は15勝で2度目の最多勝に輝きました。2010年以来、6シーズン連続で2桁勝利を挙げ、その間に負け越したのは11年の1度だけ。負け数が少ないのも特徴の一つです。過去に渡米したダルビッシュ有投手(レンジャーズ)や田中投手の例を持ち出すまでもなく、日本で実績を持つ投手が一定の成績を残すことはほぼ確実といえるでしょう。

メジャー使用球、変化球切れやすく

いろいろある日米の野球の違いのなかで、よくいわれるのがボールの問題です。つるつる滑りますし、縫い目の山が日本のものより高いので、違和感があるのは確かです。野手としては本塁や内野への送球がすっぽ抜けそうになるので、各選手、いろいろ工夫しています。投手の滑りどめの手段はロージンバッグのみということになりますが、野手に関してはそううるさくいわれることはないので……。

日米間のボールの差異もさることながら、メジャーのボールのなかでも、一個一個の出来に差があります。これも驚かされることの一つです。その点、日本のボールはどれをとっても同じですから、製品としては優秀なんですね。

野手ですら気になるくらいボールが違うのですから、繊細な投手の指にとってはもっと深刻でしょう。

しかし、今はメジャーへのボール供給を一手に引き受けているローリングス社にお願いすれば、いつでもボールを入手できますし、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)などの国際大会もあります。あちらに行ってから初めて手にとってびっくり、ということはありません。

メジャーのボールはどちらかというと前田投手に有利に働くでしょう。縫い目の山が高いために、日本のものより変化しやすいのです。日本でも前田投手の変化球はあれだけ鋭く曲がっているわけで、メジャーではさらに切れが増す可能性があります。

日米の野球では球場の土の質にも違いがあります。日本は柔らかい黒土というのが相場ですが、メジャーは粘土質の硬い赤土が主です。マウンドの硬さも違い、そこも日本の投手の適応力が試されるポイントですが、これはすぐ慣れると思います。

「チームのために投げる」との評価も

メジャーの球団が前田投手を評価しているのは成績ばかりではないでしょう。広島での投げっぷりをみていれば「チームのために投げてくれる投手」ということがわかるはずです。

シーズン中も常にチームの勝利のために投げ、起用法につべこべ言わず、ポストシーズンともなれば中3日の登板も辞さない投手……。前田投手に限らず、日本の投手はそういうことをたたき込まれています。この姿勢がメジャーで特別に評価されるのは、他国の投手は決して「チームのことだけを思って投げてくれる投手」ばかりではないからでもあります。

ただし、チームを思う心があっても、体がついていくかどうか。ここは課題になります。具体的にいうと、メジャーの中4日登板に対応できるかどうかです。ダルビッシュ投手、田中投手ともに故障に見舞われています。中4日の影響がないとはいえないでしょう。日本では中6日、週1度の登板ですから、この違いは大きいのです。

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