2019年5月25日(土)

大村氏「地球からのすばらしい贈り物」 ノーベル賞記念講演

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2015/12/8 8:47
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【ストックホルム=安藤淳】ノーベル生理学・医学賞を受賞する大村智・北里大学特別栄誉教授は7日午後(日本時間同夜)、ストックホルムのカロリンスカ研究所で記念講演した。約1000人を収容する巨大レクチャーホールは満席となった。講演テーマは「地球からのすばらしい贈り物―エバーメクチンの起源とインパクト」。主な内容を紹介する。

講演終了後、記念撮影におさまる受賞者ら(左からト・ユウユウ氏、大村氏、キャンベル氏)

講演終了後、記念撮影におさまる受賞者ら(左からト・ユウユウ氏、大村氏、キャンベル氏)

皆さんと研究の楽しさ、そして結果の一部を共有できてうれしい。私は人類の健康に貢献する今回のサクセス・ストーリーにかかわってきた多くの人や組織を代表してここにいる。エバーメクチンは米製薬大手メルクと私の研究グループの協力の結果だ。

微生物の代謝に関する研究は1965年に北里研究所で始めた。微生物が作りだし、生物活性のある新たな物質の発見に集中するようになった。集めた天然サンプルから微生物を単離する手法を工夫し、面白い性質をもつ化学物質を探し出す新しいスクリーニング法を考案して利用した。

毎年2000を超える微生物を単離し、様々な培養液を使って育て、増やした。それをスクリーニングにかけ、生物活性を明らかにしていった。有用と思われるものは保存し、我々や他の研究者が使えるようにした。興味深い活性を示す物質が見つかっても、さらに研究を進めるにはお金がかかるため、企業パートナーが必要になった。

我々はたくさんの微生物から様々な生物活性をもつ物質を見いだし、50年の間、毎年平均して10個程度の新たな化合物を見つけた。このうち人間や動物の薬に役立つものが26個あった。計100個ほどの物質は有機合成され、有機化学や生化学の進歩に貢献した。

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