梶田氏、ノーベル賞に2人の恩師 思い胸に授賞式
"幽霊粒子"ニュートリノを追って~梶田隆章氏の軌跡(上)
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ノーベル賞の授賞式が10日、ストックホルムで開かれる。東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章は、物質をばらばらにしていってこれ以上分けられない最小の粒子、素粒子の一種であるニュートリノに質量があることを突き止め、2015年度のノーベル物理学賞の受賞が決まった。ニュートリノは目に見えず、人間の体も地球もするりと突き抜けるため、"幽霊粒子"とも呼ばれる。それ以前の物理現象で宇宙の法則を説明してきた「標準理論」はニュートリノには質量がないことを前提としていた。"幽霊"に質量があったことは、標準理論にほころびがあることを示す成果で、宇宙の誕生や物質の起源に迫る新しい物理の扉を開いた。(文中敬称略)...
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