小型で高効率がベスト エアコン選びの極意
冬に備える家づくり 2015-2016(4)

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2015/12/28 6:30
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日経アーキテクチュア
 住宅の省エネルギー性能を客観的に調査・分析している専門家、東京大学准教授の前真之氏が、暖房や冷房、断熱に関する世間の誤解を正す。連載の第4回目は、省エネという観点で最も効率が良い、エアコン選びの極意を紹介する。

本当に夏を旨(むね)とした家とは、エアコンでつつましく冷房できる家である。では、できるだけ効率良く少ない電力で冷房するには、どんなエアコンを選べば良いのだろうか。

■年間エネルギー効率が高いエアコンを

まずは何より、少ない電気で多くの熱を取り除いてくれる「エネルギー効率の高い」エアコンが望ましい。このエネルギー効率は「年間エネルギー効率:APF(Annual Performance Factor)」と呼ばれ、カタログや省エネラベルに必ず記載されている(図1)。

図1 エアコンなどエネルギーを大量に消費する機器については、その省エネ性能を示すラベルが表示されている。基本的に★の数が多いほど省エネになるが、これは容量ごとに定められた省エネ基準の「最低効率」を100%とした相対的な数字。効率の絶対値は、年間エネルギー消費効率「APF」として示されている

図1 エアコンなどエネルギーを大量に消費する機器については、その省エネ性能を示すラベルが表示されている。基本的に★の数が多いほど省エネになるが、これは容量ごとに定められた省エネ基準の「最低効率」を100%とした相対的な数字。効率の絶対値は、年間エネルギー消費効率「APF」として示されている

このAPF の値が大きいほど、1の電気で処理できる熱量が多くなるので好都合だ。

次に、エアコンの冷房能力はどのくらいにするべきか。大きなエアコンをドーンと1台置くのがいいのか。先走る前に、冷房能力の大きさ別のAPF の値をチェックしてみよう。

図2を見ると、能力が大きい機種ほどAPF が低下している、つまりエネルギー効率が低いことに気が付く。実はエアコンの屋内機や屋外機のサイズは、能力の差ほどには変わらない。5.0kW の機種が、2.5kW の機種より2 倍大きいわけではないのである。特に屋内機は日本家屋の柱の間に収まるよう、幅800mm 以下に抑えられている。自動車でいえば、全ての車種が「軽自動車」の車格に抑えられているようなものなのだ。

図2 冷房能力が高いほど効率は低下する。年間エネルギー効率(APF)は1の電気から暖房・冷房で利用できる熱量を表す。値が大きいほど高効率

図2 冷房能力が高いほど効率は低下する。年間エネルギー効率(APF)は1の電気から暖房・冷房で利用できる熱量を表す。値が大きいほど高効率

つまり能力の大きいエアコンというのは、トランスミッションやタイヤといった「足回り」は軽自動車のままで、「エンジン」だけパワーアップしているようなもの。全体としてのバランスが悪いのだから、エネルギー効率が落ちても不思議ではない。

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