2018年11月20日(火)

美走・快走・楽走

フォローする

フルマラソンシーズン序盤、調整練習でこれは「×」
ランニングインストラクター 斉藤太郎

(1/3ページ)
2015/11/30 6:30
共有
印刷
その他

私が指導するクラブの練習会は毎週水、土曜に実施しています。様々な目標を持ったランナーが集まるクラブです。目的とする練習の焦点がぼやけてしまわぬよう、長期的な計画に基づき、1回ごとの練習メニューに落とし込んでいます。設立以来、毎年11月末をフルマラソン完走の時期として取り組んできました。ですが、ここ数年は本当に選択肢が増えました。10月に既に1本のマラソンを消化し、11月に入ってから2本目のフルマラソンに向けて調整を進めている方が少なくありません。この季節の調整練習でやってはいけないことを挙げてみます。

シーズン1、2本目のフルマラソンに向けて調整を進めるこの時期、調整練習でやってはいけないことも多々ある

シーズン1、2本目のフルマラソンに向けて調整を進めるこの時期、調整練習でやってはいけないことも多々ある

よくある失敗例

(1)トレーニング以外の「もの」の効能

今の走力が100あるとして考えてください。快走、パフォーマンス発揮の手助けになるサプリメントやウエアなど、様々な「もの」が充実しています。「もの」以外では、体に炭水化物(車でいうガソリン)を蓄えるメソッドとしてカーボローディングも多くの方が実践しています。ですが、これを導入したからといって、力が150とか200になることはありません。トレーニングで培った走力はあくまで100のままなのです。

ただ、何らかの事情で100を出しきれないことがあります。80とか、ひどいときには60くらいしか出せない人もいます。そこを補う可能性として、こういったことを導入するという考え方で取り組んでいただきたいと思います。周りがやっているから自分もしないと後れを取る、という考えに陥らないようにしましょう。

(2)インターバル練習でスピードを上げて安心感を得る

練習日誌をこまめにつけている方は、どうしてもきっちりと練習結果を残したくなるものです。また、全地球測位システム(GPS)の機能が付いたウオッチでしたら、おのずとラップタイムがデータとして残るので、なおさら、走りの感覚よりも練習タイムに意識が向きすぎることがあります。

タイムは大切なデータではあるのですが、この時期はむしろ、走りの手応えや、調子が上向いているかどうかの感覚を大切にして走りましょう。「良いタイムで走れた=レースでの快走が約束される」というわけではありません。考え方を切り替えましょう。

持っている力を出し切るのはレース本番です。調整練習になると、練習量を落としていくので、疲れが抜けてきます。それに伴い、体は速く動こうとします。その成り行きでアクセル全開にしてしまうと、せっかく力を蓄えてきたのに「調子を使ってしまう」ことになります。これをランニング界では「打ち上がった」と表したりします。そこがピークになってしまい、あとは下降線をたどるということになるのです。行きたくなる気持ちをエネルギーとして蓄えること。馬の手綱を引くようなイメージで「まだ本番ではないよ」と体に言い聞かせて走りましょう。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

共有
印刷
その他

コラム「ランナー集まれ」

コラム「ワイルドレース戦記」

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップスポーツトップ

美走・快走・楽走 一覧

フォローする
キプチョゲ選手はベルリン・マラソンで2時間1分39秒の世界新記録をマークした=ロイターロイター

 2018年の秋、人類の限界の数値ともいえるフルマラソンの記録が塗り替えられました。9月16日のベルリン・マラソンでエリウド・キプチョゲ選手(ケニア)により世界記録が2時間1分39秒に更新されました。 …続き (11/20)

ウエア、シューズ、ソックスはレースで着用予定のものを事前に試しておこう

 10月に入ると、毎週のように各地で大きなマラソン大会が開催されるシーズンになります。目標の大会が近づいてきた方が多いと思います。今回はマラソンレース前の、よくある失敗や気をつけたいことを紹介させてい …続き (9/30)

審判員もたゆまぬトレーニングを続けている(2013年のFIFA講習会)

 2004~16年に実施された日本サッカー協会の「JFAレフェリーカレッジ」でランニング講師を担当したことが契機となり、現在でもサッカー審判員の方々への指導の場を持たせていただいています。トップリーグ …続き (7/22)

ハイライト・スポーツ

[PR]