「ほったらかし調理家電」が、家族の触れ合いを支援
目が離せない揚げ物も、ほったらかし家電にお任せ
──「ほったらかし調理家電」には大きく分けると次の5つのステップがあります。
STEP1 電子オーブンレンジ
STEP2 電気鍋
STEP3 ノンフライヤー&アクティフライ
STEP4 IHクッキングヒーター
STEP5 スープメーカー
── 今回はSTEP3からSTEP5までを取り上げます。まずはSTEP3のノンフライヤーです。
「ノンフライヤー」や「アクティフライ」は、揚げ物をするときに使う調理家電。似た家電として「フライヤー」がありますが、「ノンフライヤー」や「アクティフライ」は、油を使わずに揚げ物を調理します。
揚げ物って、時々食べたくなるけれど、調理するのは正直厄介ですよね。油の温度を一定に保たなければいけないから、付かず離れず見ていなければいけません。その間、子どもが「ねぇ、ママ」と声をかけてきても、相手ができないのがつらいところ。
── 油を扱っているときに子どもがキッチンに入ってくるのも怖いですし。
その点、「ノンフライヤー」や「アクティフライ」だったら、そばにいなくても大丈夫。材料をセットしてスイッチを入れておけば、完成するまでたっぷりお子さんの相手ができます。それに、油を使わないからとてもヘルシー。小さいお子さんに良質のたんぱく質を食べさせたいご家庭には最適です。使った後の油を処理する手間がかからないのも、うれしいポイントですよね。
実は、「ノンフライヤー」や「アクティフライ」は、熱風が庫内で循環する「熱風循環」を採用していますが、これは電気オーブンレンジにも使われている加熱方式なんです。


── 電子オーブンレンジでも同じことができる機種があるということですね。
最近の電子オーブンレンジなら「ノンフライヤー」や「アクティフライ」がなくても同じ原理で揚げ物を作ることはできます。電気オーブンレンジの調理メニューに「揚げ物」というボタンが見つかったら、ぜひ一度試してみてください。
IHクッキングヒーターで、食卓を家族コミュニケーションの場に

さらに「ほったらかし調理」を進化させるのであれば、卓上版のIHクッキングヒーターがおすすめ。火加減が自動でコントロールできるモードもあるので、ほったらかし調理に最適です。
── 家族で楽しめそうですね。
食育的にも、一日のうち一食ぐらいは家族で食を楽しみたいもの。そういうときは、IHクッキングヒーターをテーブルの上に置き、鍋料理やパエリア料理などを作りながらコミュニケーションを楽しんでみてはどうでしょう。
IHクッキングヒーターは手持ちの鍋がそのまま使えるから、そういうときはル・クルーゼのようにかわいい鍋を使いたいですよね。そのために、わが家にはかわいいホウロウ鍋がいくつかあります。

スープも家電に任せてしまおう
ほったらかし調理家電に主菜を任せてしまえば、使うコンロの口の数を減らすことができます。さらに「ほったらかし調理」を進化させるのであれば、主菜だけでなく、汁物も任せてしまいましょうというのが、戸井田さんの提案です。
── 汁物ということは味噌汁やスープですか。

そうです。スープや味噌汁をガスコンロで作るのではなく、スープメーカーで調理してみるのです。
スープメーカーで汁物を作るには、材料と水を入れてスイッチを入れればOK。しかし、使い方を工夫すれば、だしをとって作る本格的な味噌汁を調理することもできます。それには、まずだしになる煮干しや昆布をスープメーカーに入れて砕きます。次に、味噌汁の具と水を入れて温めれば、おいしい味噌汁が完成します。
スープメーカーには、ジューサーやミキサーに近いタイプと、フードプロセッサーに近いタイプがあります。今回ご紹介する「ビタリエ」と「らくっく」は、ジューサーに近いタイプ。スープだけでなく、ジュースを作ることもできます。「スープリーズ」(ゼンケン)の場合、ジュースは作れませんが、おかゆが作れます。また、「IHスーププロセッサー」(タイガー)の場合は、フードプロセッサーとして活用できます。ジュースがいいか、おかゆがいいか、フードプロセッサーがいいかは、そのご家庭によって違います。ご自身の家庭のスタイルに合わせて、最適なものを選んでくださいね。


──今回、「ほったらかし調理家電」を取り上げてみて、色々あることに驚きました。
こういった家電をご家庭に導入しても、決して「時短」にはなりません。調理する時間そのものは同じと感じることもあるかと思います。ただ、調理中でもその場を離れて、別のことができるというのは大きなメリットです。おいしいごはんができるまでの時間を利用して、お子さんとのコミュニケーションタイムを確保することに、大きな意味があると思います。

大手プレハブメーカーでインテリアコーディネートを担当し、インテリア研究所を経て商品企画部へ。その後、インテリア&家電コーディネーターとして独立。現在は、情報ポータルサイトAll Aboutをはじめ、雑誌・新聞・テレビなど幅広いメディアで活動中。家電業界出身ではない中立的な立場と消費者目線での製品評価や、分かりやすい解説に定評がある。好きな家電は、お掃除ロボットなど時短家電。
(ライター 井上真花)
[日経DUAL 2015年10月20日付記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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