2019年2月17日(日)

[FT]遅すぎた中国の一人っ子政策廃止

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2015/10/30付
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Financial Times

中国が「一人っ子政策」の廃止を決定した。同政策は数十年の間、海外から批判され国内でも反感を買った近代史の中で最も過酷な社会実験だ。

中国が国の大半で子どもを1人までしか認めない政策を導入してから30年余りたった29日、国営新華社はすべての夫婦に第2子の出産を認めるという1行の短信を流した。

期間やその他の詳細についての言及はなかったが、4日間の日程を終えた中国共産党の中央委員会全体会議を受けての発表だと記されていた。

同政策によって中国では高齢化が進み、同国経済が減速する中で労働者不足につながっているため、国内では廃止への圧力が高まっていた。

だが、人口動態の専門家はこの廃止によって人口への大きな影響は出ないだろうと警告した。出生率向上を目的として最近導入した政策もベビーブームにはつながらなかったためだ。

一人っ子政策はおそらく中国共産党が本土の市民生活に対して数十年行った最もあからさまな日常生活への侵害だろう。就労や居住の場所、その他の事柄について制限を解くという方法で他の私生活への締め付けが緩められているこのときに、一人っ子政策は引き続き厳格に、時に残酷に実施された。

同政策の廃止の決断は重要かつ象徴的な譲歩であり、中国の多くの一般市民がその決断を歓迎するだろう。それでもはやり、人口の半数以上が人口過多の大都市に住む中国では子どもの養育費が主な理由で、市民の大半が第2子を持たないという選択をするかもしれない。

■最近では例外だらけ

物議を醸した一人っ子政策は、中国共産党が人口が増加の一途をたどるのを恐れて1979年に導入した。だが、この政策も最近では例外だらけになっており、人口統計学者はもはや一人っ子政策という呼び名自体が誤りだと考えている。

2年前、中国政府は夫婦のどちらか一方が一人っ子なら第2子まで出産を認める緩和政策を導入した。それ以前は両親がいずれも一人っ子の場合に2人目が認められていた。また、ほとんどの農村地帯では、もし女児や障害児が生まれた場合には男児か健常児を持つために2人目までの出産を認めていた。

少数民族も多くの子どもを持つことが認められている。

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