ラグビー五郎丸のキック、ルーティンのメンタル効果
東海大学体育学部教授 高妻容一

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2015/11/4 6:30
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 今回は、メディアをにぎわしたラグビーのワールドカップ(W杯)と日本代表について私なりの解説をしたいと思います。

 第1戦の南アフリカに勝利した日本代表のニュースは、メディアによって五輪やサッカーW杯並みに扱われ、にわかラグビーファンまで巻き込み大きな波となりました。ラグビーという競技は番狂わせが少ないといわれます。そのためもあってか、実力的には格上の南アに勝ったという「番狂わせ劇」として多く取り上げられたように感じました。ただ各メディアがこの話題を取り上げれば取り上げるほど、はたしてこの勝利は本当に番狂わせだったのかと思った人もいたのではないでしょうか。

リーダーたちのメンタル強化を重視

 あるテレビ番組では日本代表の強化合宿でのトレーニングの様子が報告され、エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)の考え方やその強化方法が紹介されていました。五郎丸歩選手に関しての報道では、キックの精度や成功率を上げるための毎日のトレーニングや練習日誌を活用したデータベース作り、そのデータを基にキックの成功率を高めるための「プリ・パフォーマンス・ルーティン(キックする前の行動、身体的な動きを一定のパターンにすること)」を確立したことなどが取り上げられていました。ほかにも各選手の特集が組まれ、この勝利の裏側を伝えていました。

 その後、日本は1次リーグ3勝という歴史的な成果を上げました。にもかかわらず決勝トーナメント進出を逃す悲劇的な結末となり、悔しさを募らせる選手たちがさかんに取り上げられました。

 戦いが終わっても、このように日本が強くなった要因や舞台裏をメディアがこぞって分析していました。そして、そこから見えてきた事実は、日本代表がここまでの約4年間、強化合宿でかつてないほどの厳しいトレーニングを積んできたこと、ジョーンズHCが多くの強化策を実施してきたことなどでした。例えば、背中に100キロのバーベルを乗せて体幹のトレーニングをしたり、ボクシングなどを取り入れたりして、フィジカル面を強化している映像などがありました。

 エディージャパンはHCの要請もあり、あるスポーツ心理学者がメンタル面強化に関わっていました。代表チームのリーダーたちを中心に、リーダーとしてのメンタル面の強化を行っていたようです。ジョーンズHCはリーダーたちの強化が重要だと考えていたようで、リーダーシップなども含めた指導や心理的サポートがなされたようです。

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