「私たちはお試しだったの?」 今度は前倒し狂騒曲

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2015/10/29 6:30
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経団連の榊原定征会長は27日、2017年春入社の大学生を対象にした面接の解禁を、8月から前倒しすると表明した。「6月解禁も選択肢の一つだ」と話し、2カ月前倒しになる可能性が高い。就活探偵団では、今年から始まった8月解禁で混乱する学生や企業の現場を取材してきた。方針変更は吉と出るのか。

経団連の榊原定征会長は9月の会見でも見直しを示唆していた

経団連の榊原定征会長は9月の会見でも見直しを示唆していた

「今年から就活スケジュールを新しくしたが、いろんな問題やら課題が指摘されている……」。27日、東京・大手町の経団連会館。榊原会長は記者会見で水を向けられると気まずそうにこう話した。「6月解禁は?」と畳みかけられると、「一つの選択肢だ」と、事実上、2カ月前倒しを検討していることを認めたのだ。

就活スケジュールについてもう一度整理すると、2014年までは、会社説明会など企業の広報活動の解禁が12月、面接の解禁は翌4月だった。今年からはこれが大幅に「後ろ倒し」され、広報解禁が3月、面接解禁が8月となった。すくなくとも大学3年生までは学業に専念できる環境を作りたい、という大学や政府の意向が反映された。今回の案は、広報の解禁は3月のまま変えず、面接解禁を2カ月前倒しの6月にするというものだ。

■大手メーカー「イメージどおり」

「イメージしていた通りになった」と話すのは、大手電機メーカーの人事部担当者だ。「6月解禁のデメリットは見つからない。今年はまっとうなスケジュールで選考できる」と評価する。「3月に学内や合同説明会、4月に企業内説明会、5月にエントリーシートを提出してもらって6月から選考というスムーズな流れだ」(同担当者)

ヤマト運輸人事戦略部も「スケジュールが前倒しになることはありがたい。就活の長期化による学生の負担も減るのではないか」と、企業側は総じて歓迎ムードだ。

電機メーカーの担当者の元には9月ごろ、経団連からアンケート調査が届いたという。選考時期をいつにするのがよいか、という質問もあった。例年だと社名を記す欄があるのに、今年は無記名式だったという。「経団連が8月と決めた以上、記名式でそれを批判するのはためらわれた。でも無記名で良いというので6、7月と本音を記入した」(同担当者)という。

無記名でも企業の本音を探ろうとした経団連の焦りが感じられる。経団連の事情に詳しい関係者はこう話す。「雲行きが変わったのはやはり8月1日の面接解禁日直後だ。炎天下の中、解禁日を守ってスーツを着て歩き回る学生がいる一方で、実際にはそれ以前に面談と称したヤミ選考を受けた学生が一斉に内定をもらっていた。新スケジュールの矛盾が一気に露呈し、経団連としても動かざるをえなくなった」

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