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傾斜マンション「責任はデベロッパー」62%
第245回解説 編集委員 木村恭子

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2015/10/29 3:30
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"傾き"が見つかり、建物を地盤に固定する杭(くい)打ち工事のデータが改ざんされていた横浜市のマンションは、三井不動産レジデンシャルの物件です。

消費者がマンションを購入する際には、こうしたデベロッパーが前面に出ていますが、実際にはいろいろな業者が建設に関わっています。

今回の場合は、三井不動産レジデンシャルがデベロッパーとして販売を担当し、建設工事は三井住友建設が元請けとなり、日立ハイテクノロジーズが1次下請けとして工事の進捗状況などを管理。杭打ち工事は2次下請けの旭化成建材が担当しました。

このように関係している業者が複数あるなかで、今回の問題の責任の所在を電子版読者にお聞きしたところ、「デベロッパー」との答えが62.5%を占めました。

「三井不動産レジデンシャルが一番の責任を負うべきだ。購入者は三井だから信用し、三井だから購入したのだ」(75歳、男性)

マンション購入者が接触するのは販売会社ですから、その会社のブランド力が大きな購入動機になりえます。

ピラミッド型の建設業界で頂点に立つ住宅販売会社の責任は重い――というわけです。

「消費者が購入に際し下請け業者を指定したわけではなく、デベロッパーの責任で企画・開発(下請け業者選定、監督責任などを含む)された物件です」(58歳、男性)

次に多かったのは「下請け会社」(24.2%)の責任を問う声です。

新築住宅に瑕疵(かし)があった場合に補修等を行った事業者に対して保険金が支払われる住宅瑕疵保険の検査員に従事されている読者(57歳、男性)からは次のようなコメントが寄せられました。

「作業員が意図的にデータをねつ造したら、デベロッパーどころか、元請けの監督でも簡単には見抜けない。業者や作業員の良心に大きく依存する。下請け会社の社員の質が問題だと思う」

データ改ざんに対する倫理的な責任を追及する声には、ほかにも「発注元のプレッシャーはつきもの。下請け会社の倫理観が重要」(28歳、男性)などがありました。

この「下請けが受けるプレッシャー」に対しては、業界の構造的な問題への指摘がありました。

「我が国の構造的な問題、意識から『利益確保』思考、『工期遵守』を下位に押し付けた結果ではあるが、手抜き、虚偽等を行ったのはいかん。『言えない』環境もあるのではないか」(58歳、男性)

今回のケースに限らず、欠陥マンションが生じる不正の温床の一つとされるのが、工期に対して厳格なマンション業界に共通する体質です。

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