2019年6月17日(月)

SEC書簡で判明 今も息づくジョブズ流「禅」経営

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2015/10/15 6:30
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VentureBeat

米アップルが自らのビジネスについて公の場で語るときには、高尚だが漠然とした以下のような概念を唱えることが多い。

「顧客を重視せよ。最もありふれたものではなく、最も良いものを作ろう。」

アップル創業時代のスティーブ・ジョブズ氏

アップル創業時代のスティーブ・ジョブズ氏

こうした内容は時代に合うため、今では多くの人が口にする。だが、これがアップルを世界で最も価値ある企業に押し上げた理想だ。他の人も同様のことを言うかもしれないが、日々実践していることでアップルは他の大半の企業にはまねできない成功を収めている。

■依然としてCEO一極体制

具体的に、どうやって成し遂げたのか。

米証券取引委員会(SEC)との最近の書簡でのやりとりが、さらなる手掛かりとなる。書簡をやりとりするきっかけは、アップルが2014年の決算発表方法を変更する方針を明らかにしたことに対してSECが問い合わせをしたことだ。小売店での業績を区別せず、代わりに地域ごとの業績に振り分けることにしたことなどが変更の内容だ。

こうしたSECによる問い合わせは、特に企業が会計処理や発表方法を変更する際には日常茶飯事だ。何らかの点をSECが明らかにしたいだけということもある。

今回のアップルのように、企業が有価証券報告書で何らかの説明をしたり、細部を変更したりするのが典型的だ。そして、SECが納得し、追加措置を講じないこともよくある。問題が終結すると、書簡は公表される。

誤解のないように言っておくが、今回の一件は捜査ではなく、会計上の不正が告発されたわけでもない。職務をまっとうする規制当局との間のお決まりのお役所的なやりとりにすぎない。

このため、やりとりされている言葉遣いは無味乾燥で、決まり文句のような類いが多い。だが、アップルの説明から、興味深いいくつかの断片が明らかにされている。

全ての損益計算書の表向きの目的の一つは、投資家に「その企業に対する経営陣の見方」を示すことにある。

その見方に基づけば、アップルはなお一極集中体制の企業だ。SECは「最高執行意思決定者(CODM)」全員のリストを提出するように求めた。これは普通なら、iPhone部門や大中華圏、あるいは定額音楽配信「アップルミュージック」の責任者らになる。支出や予算の編成、製品、戦略などに広範な権限を持つ面々を指す。

だが、CODMはティム・クック最高経営責任者(CEO)一人しかいないというのが、アップルの回答だった。

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