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車いすバスケのクラス分け、チーム再編迫る一大事

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2015/10/15 6:30
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現在、リオデジャネイロ・パラリンピック出場権をかけた車いすバスケットボールのアジア・オセアニア選手権(AOZ)が千葉ポートアリーナで開かれている。ここで戦う女子日本代表チームに、悪いニュースが入ったのはこの夏だ。中心選手の萩野真世(22)の「クラス分け」による持ち点が、1.0から1.5に変更になったのだ。

萩野の持ち点が1.0から1.5に変更になり、チームの再編を迫られた

萩野の持ち点が1.0から1.5に変更になり、チームの再編を迫られた

障害者スポーツにかかせないのが、この「クラス分け」という制度だ。様々な障害の程度を、専門知識を持つクラシファイヤー(Classifier)という判定員が見て、「この選手はこのクラス」と決める。例えば、ひと口に視覚障害といっても、全く見えない全盲から、光は感じられる光覚、視野は狭いが一部は見える弱視までと、障害の度合いは様々。そういった選手を十把ひとからげにしてチームを組み、視覚障害者サッカーをしたら、当然障害が軽い人が多いチームが有利になってしまう。

障害軽い選手だけで組めないよう配慮

そこで、全盲のB1から、弱視のB3まで3つのクラスに分け、B1の選手のみでプレーするのがブラインドサッカー、B2以下の選手による試合はロービジョンフットサルと区別している。陸上や競泳でも、下肢障害か、上肢障害か、下肢障害でも大腿切断か、膝下切断かといった細かいクラス分けがなされ、選手たちは同じクラスの中で競い合う。それによって競技者数が減るため、パラリンピックのメダルの価値は五輪よりも低いといわれる一因になっているのだが、競技の公平性を保つために、どうしても必要なのがクラス分けだ。

車いすバスケにおいては、障害の最も重い選手は1.0、最も軽い選手は4.5として、0.5点刻みで選手を8つのクラスに分けている。2点台以下をロー・ポインター、3点台以上をハイ・ポインターという。そしてコートに立つ5人の選手の持ち点の合計が14点以下にしないといけないというルールがある。これも障害の軽い選手だけでチームが組めないよう、公平性に配慮したやり方だ。

生後ほどなくの脊髄腫瘍で、中学生時代に歩けなくなり、15歳で車いすバスケを始めた萩野。ジュニア時代に判定された持ち点1.0というのは、腹筋、背筋という体幹機能が効かず、座ったままでも体のバランスをとることが難しい状態を指す。日本車椅子バスケットボール連盟の小滝修理事(強化指導担当)によると、6~7月にかけ、中国・北京であったU25(25歳以下)世界選手権の際、萩野の状態を見たクラシファイヤーが、大会後に1.5への変更を決定したという。体をねじる回旋動作が少し見られる、というのが0.5ポイントアップの理由だった。

ポイント上昇で合計持ち点がオーバー

萩野は車いすをこぐスピードが速く、遠くからのミドルシュートも打て、手も長いため、ロー・ポインターの中心選手としてスターティングメンバーをはってきた。U25世界選手権でもベスト5に選ばれている。だが、ポイント上昇で、それまでの代表の先発5人では、持ち点の合計が14.5になってしまい、急きょ、チームの再編を迫られたのだ。

世界選手権など大きな国際大会には必ずクラシファイヤーが来て、練習から選手の動きをチェックし、持ち点を吟味している。今回のAOZでも来日した。国際大会初参加の選手については、予選までの動きを見て、決勝トーナメントで新しい持ち点が通告されることもあるという。これまた、競技の公平性を保とうとする努力の一環だ。

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