2019年8月25日(日)

良き敗者サモア、日本たたえる粋な贈り物

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2015/10/7 6:30
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ラグビー日本代表がワールドカップ(W杯)で初の2勝目を挙げたサモア戦。日本の安定した力とともに、サモアの意外なもろさも感じさせた。ただ、南太平洋の「巨象」は必ずしも自分から崩れたわけではない。

反面教師は4年前のトンガ戦

人口19万人ながら海外でプレーするラグビー選手は数百人。人材の宝庫であるサモアは今回、特に前評判が高かった。7月には優勝候補筆頭のニュージーランドをホームに迎え撃ち、16-25の接戦を演じている。決勝進出を予想する海外メディアもあったほど。

母国から遠く離れた欧州クラブ所属の選手がなかなか一同で集まれないことが強化の難点だったが、今回は長い準備期間を取れた。「チームとしての活動はもうすぐ4カ月になる。前回大会はこれだけ長く一緒にいられなかった」とプロップのペレニセは話す。

本大会に入ってからは初戦の米国戦に25-16で勝利。6-46と敗れた南アフリカ戦も、メンバーの若干の温存と、相手の充実が大きかった。正念場の日本戦では本領を発揮するかと思われた。

対する日本が反面教師にしていた試合が1つある。4年前の大会、サモアと同じオセアニア勢、トンガとの一戦だ。それまで5連勝していた相手に肝心の試合で敗れた。普段と違う相手の気迫に押され、徹底的に密集戦で圧力を掛けられたのが原因だった。

「前回のトンガ戦のように『勝てる』と思っていると負けるのがW杯」とホラニ龍コリニアシ(パナソニック)。この危機感はチーム全体で共有できていた。

試合開始直後に落球誘う

今大会の日本は試合前のウオーミングアップを終えていったん引き揚げる際、選手が互いの肩に腕を掛け、一団となって歩く。大会直前に始めた儀式だ。ニュージーランドでも時々行われるというが、4年前、日本を破る直前のトンガがまさに同じことをしていた。

今回はサモアの方がややばらばらに歩いてロッカールームに帰っていった。肩を組んで歩くことがプレーの善しあしに直結するわけではないが、日本の準備と結束を象徴するようなシーンだった。

"反省"は試合開始のワンプレーにも生かされていた。4年前は相手のキックオフをキャッチしてからサインプレーを仕掛けた。しかし、いきなり落球。出だしからつまずいた。

今回は高く上がったキックをホラニが危なげなく捕球して前進。裏に1度蹴った後、SO小野晃征(サントリー)のタックルで逆に落球を誘っている。続いてセンター立川理道(クボタ)も低いタックルを繰り出す。チーム全体を通じてタックルの精度、激しさは金星を挙げた初戦の南ア戦と遜色がなかった。勝利を予感させるものはこの時点であった。

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