インタビュー

フォローする

大リーグ代理人・ボラス氏「強欲批判は筋が違う」

(1/2ページ)
2015/9/26 6:30
保存
共有
印刷
その他

松坂大輔(現ソフトバンク)の米国移籍に際して代理人を務め、大リーグの大物選手を多く顧客に持つスコット・ボラス氏が来日した。多くの巨額契約で知られる同氏に代理人の役割や日本選手の現状などについて聞いた。

――来日の目的は。

「顧客である阪神・鳥谷敬、オリックス・中島裕之と会うのが主な目的だ。一緒に食事し、打撃やメンタルの持っていき方など野球の話をした。言語は違っても野球という共通の話題で楽しい時間を過ごせた。もちろん試合も見たし、幹部にあいさつした球団もある」

ボラス氏は「選手の希望をかなえるのが代理人の仕事」という

ボラス氏は「選手の希望をかなえるのが代理人の仕事」という

大リーグでやれそうな選手、何人も

――今回は札幌にも行った。大リーグ志向の強い日本ハム・大谷翔平に興味はあるか。

「才能あふれる選手なのは誰が見ても分かる。けれども私の興味はひとりではない。対戦相手のソフトバンクにも大リーグでやれそうな選手が何人かいた。私が見た試合は序盤で大差がついたが、そういう局面でこそ選手の性格は出るものだ。甲子園では阪神の藤浪晋太郎も見た。あの若さでコンスタントに150キロ以上の速球を投げるのだから、彼も才能のある選手だ」

――昨オフ、鳥谷は大リーグへの移籍を目指したが実現しなかった。

「行こうと思えば行けたが、残る道を選んだ。人気球団一筋で、カル・リプケンのような連続試合出場の記録もある彼は日本では特別な存在だ。阪神も熱心に引き留めた。だが米国に行けば何人かいるレギュラー候補のひとりで、試合に出られる保証はない。大リーグで通用する力は十分にあるが、総合的に最善の選択をしたと思う」

――日本人野手が満足できる契約をするのは難しくなっているのか。

「資金のかからない中南米の選手の存在が大きい。大リーグの球団は彼らが16~18歳のころから安く契約して育成できる。一方、日本人選手が規定の出場登録日数を満たしてフリーエージェント(FA)権を取得するには最短で9年かかる。これは大学を出た選手にはきつい。米国でも貴重な松井秀喜クラスのパワーがあれば別だが、チームのニーズによほど合わないと30代の選手に大金を出すことはない」

「日本の選手は基礎がしっかりしているうえに、毎日、大勢のファンの前でプレーする機会に恵まれている。米国を除けばこれほど充実した野球環境はなく、プロとしての経験も十分に積んでいる。日本のファンが、日本の選手を近くで見たいというのは正当な主張だ。だが米国移籍との関連でいえば、ファンに多少我慢してもらって、もう少し選手の便宜を図ることを考えてはどうだろうか。具体的にいうと、大学や社会人を経ても30歳になる前に米国に来られるような、年齢も加味したFA権取得の条件を検討してみる価値はあると思う」

野球の能力だけでなく性格も考慮

――FA権を取得する前の選手が移籍するときに使われるポスティング制度で、2013年のオフから入札額に2000万ドル(約24億円)の上限が設けられた。

「影響は選手によって違う。日本の球団にとっては収入が減るわけだから、上限額以上の価値がある一流選手であれば放出するメリットが減り、少しでも長く働いてもらおうということになる。もともと2000万ドルに届かない選手であれば、大きな影響はないだろう」

――多くの一流選手の代理人を務めてきた。どのように顧客を選んでいるのか。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

大リーグコラム

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップスポーツトップ

インタビュー 一覧

フォローする
長谷川氏は「実力はあるから、こぢんまりせずにやってほしい」と語る=共同共同

 米大リーグが29日(日本時間30日)に開幕する。今季は投打の「二刀流」で世界最高峰の舞台に挑むエンゼルスの大谷翔平や6年ぶりにマリナーズに復帰したイチローなど話題が豊富。エンゼルスOBで、現在、米国 …続き (2018/3/29)

大リーグ通算3000安打を達成し、球場の電光掲示板に映し出されるイチロー=共同共同

 マーリンズのイチローが大リーグ通算3000安打という金字塔を打ち立てた。本名の鈴木一朗改め「イチロー」としてプロ野球記録のシーズン210安打を放ち、一躍スターダムにのし上がったのはオリックス時代の1 …続き (2016/8/10)

ボラス氏は「選手の希望をかなえるのが代理人の仕事」という

 松坂大輔(現ソフトバンク)の米国移籍に際して代理人を務め、大リーグの大物選手を多く顧客に持つスコット・ボラス氏が来日した。多くの巨額契約で知られる同氏に代理人の役割や日本選手の現状などについて聞いた …続き (2015/9/26)

ハイライト・スポーツ

[PR]