ソフトバンク武田、緩急投法に磨き 毎年15勝の期待
スポーツライター 浜田昭八

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2015/9/27 6:30
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ソフトバンク・武田翔太のタテに大きく割れるカーブが、阪神の勢いを止めた。2014年の日本シリーズ第2戦(甲子園)でのこと。この年の阪神はレギュラーシーズンを2位で終えたが、クライマックスシリーズのファーストステージで3位広島を1勝1分けで撃破。優勝した巨人と対戦したファイナルステージでは、4タテを食らわせて日本シリーズへ進んだ。

しかも、本拠地甲子園にソフトバンクを迎えた日本シリーズ第1戦で6-2の快勝。圧倒的に多い虎ファンの声援をバックに、そのまま日本一へ突っ走るのではないかとみられた。このポストシーズン無敗の阪神を、シリーズ第2戦に先発した武田が見事に抑えた。武田はこの年のレギュラーシーズンで3勝しかしていない。

1年目に8勝、その後は低迷続く

力でねじ伏せたのではなく、得意のカーブを交えた緩急自在の投球。阪神ファンの大声援にも動じることなく、六回2死まで無走者に封じた。この回に1点を失ったが、終盤を五十嵐亮太、サファテが締めた。セ・リーグにはいないタイプのカーブ投手に打撃を狂わされた阪神は、福岡へ移動してからも打てず、ソフトバンクが4勝1敗で日本一に輝いた。

「ムキにならず、自分の投球をしたら抑えられると思った」と、シリーズの流れを変えた第2戦のあとで、武田は冷静に話した。だが、そう言えるようになるまでは、さまざまな苦しみがあった。

宮崎日大高のエースだったが、春夏の甲子園大会に出ていない。だが、スカウトの評価は歳内宏明(福島・聖光学院高―阪神)、釜田佳直(金沢高―楽天)ら甲子園大会出場組より高かった。11年秋のドラフトで、ソフトバンクはためらわずに武田を1位指名した。期待にたがわず、武田は1年目の12年に8勝(1敗)を挙げた。7月からの1軍登場でこの好成績。2年目以降の活躍に夢が膨らんだ。

ところが、2年目の13年は4勝4敗。3年目の14年は7月まで2軍暮らしをして7試合に登板しただけ。3勝3敗に終わった。故障と考え過ぎたためのフォームの乱れが低迷の原因だった。

極めてシンプルな考えで臨んだ今季

1年目に勝っているときから、右肩に痛みを感じていた。大事に至らない程度だったし、痛みを口にするのは弱音を吐くのと同じと思っていた。1年目に好成績を挙げた若い選手は、慢心とオフの体の手入れを怠ったことで「2年目のジンクス」によく見舞われる。そんな周囲の声にも過剰に反応した。

相手に研究されることを計算に入れて、それを上回る対策を立てたつもりだった。ただ、頭で考えたことに、技術がついていかなかった。正しいフォームを確立するために、腕の振り、ステップなど、さまざまなチェックポイントを決めた。それにとらわれるあまりに、フォームを乱して泥沼に落ち込んだ。

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