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無敗王者メイウェザーは史上最高のボクサーか
スポーツライター 杉浦大介

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2015/9/25 6:30
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9月12日、米ラスベガスでのボクシング世界ウエルター級タイトルマッチでアンドレ・ベルト(米国)に判定勝ちした後、無敗のボクシング5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)は公言していた通りに現役引退を発表した。デビュー以来無傷の49連勝。エキサイティングとはいえないディフェンス重視のスタイルに批判はあれど、歴史に残るボクサーであることに疑問の余地はない。輝かしい記録を残したメイウェザーは、本人が好んで使う愛称通り「史上最高のボクサー」だったのか。

自らを「史上最高」と称するように

「僕のキャリアは終わりだ。(引退を)正式に発表するよ。引き時を心得なければならず、今は僕にとって潮時だ」。ベルト戦が終わった直後のリング上で、メイウェザーは改めてそう語った。

ただ、その言葉の真実味を疑う声は消えない。ベルト戦でのファイトマネーの最低保証額は3200万ドル(約38億円)。来年にも通算50戦目を行えば、再び5000万ドル以上の報酬を確実に手にできる。注目されることを何よりも好む性格もあって、"引退"は長続きしない可能性の方が大きいだろう。

ただ……。少なくとも試合直後の時点では、メイウェザーは本気でリングを離れようと心に決めているようにも思えた。

「このスポーツを19年もやってきて、うち18年(実際は17年)は王者であり続けた。その過程で多くの記録を達成してきた。ボクシングで証明しなければならないことはもう何もないよ」

アトランタ五輪で銅メダルを獲得した後、1996年にプロ入りしたメイウェザーは、足掛け20年で49連勝(26KO)。98年にスーパーフェザー級の王座についたのを皮切りに、ライト、スーパーライト、ウエルター、スーパーウエルター級の5階級を制してきた。世界タイトル戦では通算26戦全勝(10KO)。勝ち続ける過程で、自ら「TBE(The Best Ever=史上最高)」という愛称を好んで使うようになった。

興行面での実績、スポーツ界で圧倒

過去、5階級制覇はシュガー・レイ・レナード、トーマス・ハーンズ、6階級制覇はオスカー・デラホーヤ、マニー・パッキャオが成し遂げているが、無敗でキャリアを終えたのはメイウェザーだけ。メイウェザーは、デラホーヤとパッキャオには直接対決で勝利を収めている。

ヘビー級の巨星ロッキー・マルシアノが残したデビューから49戦全勝という記録にもベルト戦で並んだ。米誌フォーブスのスポーツ選手長者番付で過去2年続けてナンバーワンとなり、興行面での実績はボクシング界のみならずスポーツ界全体でも圧倒的である。こうして振り返れば、メイウェザーのキャリアは確かに「史上最高」と呼べる面を持っているように思える。

しかし、たとえそうだとしても、「信者」ともいえる一部の熱狂的な支持者を別にすれば、メイウェザーが歴史上のベストボクサーだと認めている関係者、ファンはほとんどいないのが現実である。

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