2019年8月22日(木)

積み重ねた実力証明 日本、「番狂わせ」勝利に自信

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2015/9/22 6:30
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「ラグビーの歴史で最大の番狂わせ」――。英ガーディアン紙とニュージーランド・ヘラルド紙。ラグビーの「母国」と「王国」の新聞が、ワールドカップ(W杯)で日本が南アフリカから挙げた勝利を同様の表現で報じた。

本当にそうだとしたら、ラグビー校のウェブ・エリス少年がボールを持って走り出したとされる1823年以来、192年間で最大の事件ということになる。

実力がそのまま得点に反映しやすく

ラグビーで番狂わせが少ないのには理由がある。一つは得点方法の簡易さ。5点が与えられるトライに特別な技術は必要ない。ゴールラインを越えて地面にボールを置くだけ。ほとんど誰でもできる。サッカーにおけるメッシやロナルドのような傑出した選手でなくても、チームが圧倒的に優勢なら1人で何トライでも決められる。

もう一つの理由は、無差別級格闘技の側面があること。体重が軽いチームはぶつかり合いを続けているうちに消耗し、終盤は足が動かなくなりがちだ。

ラグビーは実力がそのまま得点に反映されやすく、100点以上の大差がつく試合も珍しくはない。フェアではあるが、ある意味残酷ともいえる。だからこそ番狂わせを起こしたチームは、運だけでなく確固たる実力があるという証明になる。

日本にラッキーな面があったのは確か。移ろいやすいブライトンの天気がこの日は快晴をプレゼントしてくれた。雨が降っていたらパスの回数が多い日本には不利だったはず。主審も守備側がボールに絡むプレーを厳しめに判定、日本の連続攻撃に有利に働いた。それでも、競技の特性を考えると日本の勝利の輝きが色あせることはない。

その希少性から、ラグビーの番狂わせは他競技よりも人の心を打つ力がある。大げさでなく、世界中のラグビーファンは何十年も先までこの一戦のことを語り続けるだろう。

「酸素ボンベを積んだようだった」

日本代表を巡る環境も一変した。「(宿舎の)ホテルの周りにも人が増え、声を掛けられるようになった」とSH日和佐篤(サントリー)。20日の練習には以前のほぼ倍の報道陣が訪れた。新顔はほとんどが海外メディア。練習の公開時間は冒頭15分しかないから、その後は机に座ってパソコンをたたく日本の報道陣までテレビカメラが追いかける。

南ア戦から一夜明け、フッカー木津武士(神戸製鋼)は「やってきたこと全部がはまった。日本のベストパフォーマンスじゃないか」と改めて感じているという。特に自信を深めているのは最後の逆転トライにつながった終盤の攻勢と、その原動力となる持久力だ。

「日本の攻撃は守備側がすごく疲れる。練習で守備側に入ってやっていてもそう。案の定、南アは疲れていた」と木津。日和佐も独特の表現で振り返る。「みんな疲れている中で良く動けていた。酸素ボンベを積んだようだった」

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