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迷路でもがくブラジル代表 本来の奔放さ、徐々に
サッカージャーナリスト 沢田啓明

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2015/9/16 6:30
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昨年7月8日に自国開催のワールドカップ(W杯)準決勝でドイツに1-7の惨敗を喫して以来、ブラジルサッカーは複雑な迷路に紛れ込んだ感がある。それまで「俺たちのサッカーが世界一美しく、世界一強い」という尊大とも思えるプライドを抱いていたブラジル人たちが、すっかり自信をなくし、ひどくいらだち、激しく憤り、何とかしてこの迷路から抜け出そうともがいている。

汚名返上の南米選手権、準々決勝敗退

W杯後、ドゥンガが新監督に就任し、強化試合で11戦全勝(この中には、北京で宿敵アルゼンチンを、シンガポールで日本を、パリで苦手フランスを下した試合も含まれる)。そして、今年6月、W杯の汚名返上を期して南米選手権(コパ・アメリカ)に臨んだが、準々決勝でパラグアイと引き分けた末にPK戦で敗退。「1-7」後の1年間、目の前の試合に勝ち続けることで少しずつ塞がりかけていた傷口がまた開いてしまった。

10月には、2018年W杯南米予選が始まる。南米10カ国が2年余りかけて総当たりのホームアンドアウェー方式で対戦する長丁場で、ブラジルは8日の初戦で今年のコパ・アメリカの覇者チリとアウェーで対戦し、13日にホーム(北東部フォルタレーザ)でベネズエラを迎え撃った後、11月にアウェーでアルゼンチンと激突する。

アルゼンチン攻撃陣の破壊力はすさまじい。チリとコロンビアが急速に力をつけてきており、ウルグアイは相変わらず手ごわく、近年低迷していたパラグアイ、ペルーも復活しつつある。しかも、ブラジルはエースのネイマール(バルセロナ)が最初の2試合で欠場を余儀なくされる可能性が高い(コパ・アメリカの1次リーグ・コロンビア戦後の不適切な言動により4試合の出場停止処分を受け、それがまだ2試合残っている)。ブラジル国内では、「これまでになく厳しい予選となるのは必至。史上初の敗退もありえる」という厳しい見方が少なくない。

ネイマール外し、他にチャンス与える

このような状況で、9月上旬、ブラジルはコスタリカ、米国と対戦した。試合地はいずれも米国内で、南米予選前最後の強化試合である。

ドゥンガ監督は、昨年のW杯で期待されたようなキャプテンシーを発揮できず、コパ・アメリカでもパラグアイ戦で全く不要なPKを献上したCBチアゴシウバ(パリ・サンジェルマン)を出場メンバーから外した。これは、「少なくとも南米予選の序盤はチアゴシウバを起用せず、CBはミランダ(インテル・ミラノ)、ダビドルイス、マルキーニョス(いずれもパリ・サンジェルマン)でまかなう」という明確な意思表示である。

その一方で、昨年のW杯出場を逃した33歳のMFカカ(オーランドシティー)を呼び、ベテランとして若手に経験を伝えることを期待した。そして、ネイマールを2試合とも先発から外し、他のFWやMFにチャンスを与えた。

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