[FT]数字で見る日本郵政グループのIPO

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2015/9/14付
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日本の郵便事業を担う国有の日本郵政グループが予定する上場は、通常の民営化とは異なる。過去20年で国内最大の新規株式公開(IPO)で約115億ドルの資金調達を目指しているが、その過程で10年が経過していることから、変化に抵抗する傾向のある同国での株式公開が政治的論争となることを浮き彫りにしている。

ゆうちょ銀行のサイン。同行を含む日本郵政グループ3社は11月、株式を同時上場する

ゆうちょ銀行のサイン。同行を含む日本郵政グループ3社は11月、株式を同時上場する

日本郵政は、1870年代の創業以来、日本の郵便物の配達サービスを監督する一方で、同国最大の銀行および主要な生命保険事業者へと進化してきた。銀行事業と保険事業の営業利益はグループ全体の80%を上回る。

IPOはグループ3社でそれぞれ行われる。日本郵政と傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式は11月4日に上場する予定だ。IPOを通じて得られる資金の一部は、2011年の津波で被害を受けた地域の復興資金に充てられる。ここからは、関連する数字を基に日本郵政を分析してみる。

■2万4000。これは、人々が銀行取引や郵便物の発送を行う日本国内の郵便局の数だ。

この数は日本の他行の支店数の約2倍で、日本最大のコンビニエンスストア・チェーンの店舗数を6000上回る。

数百万人の日本国民、特に高齢者や農村部に住む人々にとって、日本郵政は最も認知度が高く信頼のおけるブランドの一つだ。社会の中心に位置する巨大グループであり、政治的に大きな影響力を持つことが、民営化に10年かかった主因の一つだ。

最終的な売り出し価格は未定だが、IPOに関わる銀行員によると、初回分は、複合組織である郵政グループの顧客である国内個人投資家を対象とするという。

■29億。これは2015年の正月に日本郵政が配達した年賀状の数で、1人当たり平均25枚の計算だ。年賀状は日本国民の伝統へのこだわりを示すかもしれないが、その数は1998年の41億枚から大きく減少している。

年賀状の減少は、日本郵政にとって最大の問題の一つを象徴するものだ。つまり、同社が世界で最も速く高齢化の進む国の人々にサービスを提供する、きしむ巨大組織だということだ。

日本郵政は郵便・物流事業が「取扱量減少の継続的な潮流」に直面していることを認めている。同社は3月末までの1年間で、売上高が2%増の2兆8000億円だったのに対し、純利益は53%減の154億円だった。直近の会計年度では、グループ全体の売上高は7%減の14兆3000億円、純利益は1%増の4820億円だった。

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