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楽天・大久保監督、「責任を取る」の波紋
編集委員 篠山正幸

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2015/9/7 6:30
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楽天の大久保博元監督(48)が辞任の意思を固めたという。最下位のチームを引き継いで1年目、主力に故障者が相次ぎ、いくらでも言い訳ができるのに、下位低迷の責任を取るのだとか。クライマックスシリーズ(CS)制度のおかげで、優勝できなくても3位に入れば監督は胸を張って続投となった昨今、珍しい潔さだが……。

星野前監督の進退から混乱続き

一部で今季限りの意向を固めたとの報道があった8月29日、大久保監督は本拠地・コボスタ宮城で取材に応じ「もともと結果が出なかったら責任を取らなきゃいけないと覚悟は決めている」と語った。

昨季限りで勇退した星野仙一氏に代わって就任したばかり。チーム立て直しの方向がブレがないようにするためにも、体制をころころ変えるべきではないとの考えがフロント側にはある。本人も「残り試合を全力で戦う」とし辞任を明言したわけではなく、去就については流動的な部分がある。

とはいえ、星野監督の下、球団初の日本一となってからわずか2シーズン。これほど短期の間に、これだけガタガタになる球団も珍しい。7月末には田代富雄1軍打撃コーチが退団し、組織内の不和が露呈した。

この1年、何かボタンを掛け違ったまま来てしまった感がある。そもそも星野監督の進退から混乱続きだった。同監督の2014年シーズン限りでの退陣が発表されたのは昨年9月18日。成績不振と健康不安が理由とされたが、その10日ばかり前には立花陽三球団社長が複数年契約を結んでいることを挙げ、続投の方針を示していた。

星野氏は病気治療のためシーズン途中で離脱したが、復帰。体調面の障害はないことを前提に事は進んでいたとみられ、突然の退陣の印象は免れなかった。

13年、無傷の24連勝で優勝をもたらしたのを置き土産に田中将大がメジャーに去った。14年の苦戦は当初から予想されていた。日本一監督がいくら成績不振とはいえ、翌年限りで勇退ということも異例だった。

就任会見でまずファンに「謝罪」

大久保新監督の誕生のときも、何か晴れないものがあった。昨年10月14日の就任発表。会見場所は金屏風の前ではなく、コボスタ宮城の敷地内の球団事務所の一室だった。内部昇格という"定期異動"的な人事だったからだろうか。

就任会見はファンに頭を下げるところから始まった。

「ファンの皆様に申し訳ない。おれくらいの(人物)がやるということはファンの人に申し訳ない。自分自身、自分を認めてないし。こんなおれで申し訳ない。ファンの皆様には勝って恩返しをしたい」

茨城・水戸商を出て西武、巨人で活躍した大久保監督は08年、西武の監督になった渡辺久信氏に見込まれて、打撃コーチに就任した。米国式のアーリーワークから片岡治大(現巨人)、栗山巧らが育ち、同年のリーグ優勝、日本一の立役者になった。

しかしその後、私生活を巡る不祥事などが持ち上がり、退団を余儀なくされている。その後はアマチュアの野球指導に携わり、二度とプロ野球界へは戻らないとまで決意していたという。

すっかり"在野"の人になっていた大久保監督に声をかけたのが楽天で、12年、1軍打撃コーチに就任した。

監督就任会見でのファンへの「謝罪」はもろもろの過去を踏まえてのものだったのだろうか。

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