2019年3月23日(土)

[FT]パキスタン、世界3位の核兵器保有国に
年間20発の核弾頭を製造、米報告書

2015/8/31付
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パキスタンが核弾頭を年間20発ずつ製造し続けたら、今後10年以内に、米国、ロシアに次ぐ世界第3位の核軍備を持つ可能性があると、新たな報告書が警告している。

カーネギー国際平和財団が公表した、米国のアナリスト2人による報告書は、パキスタンの隣国で競合国のインドは年間5発の核弾頭を製造しているもようで、パキスタンがインドを上回っていると結論付けた。両国の核戦力を綿密に追跡している欧米の外交官らは、インドが保有する核弾頭数が約100発で、パキスタンが約120発だとみている。

報告書の内容についてコメントを求められると、あるパキスタン政府高官は「将来に向けた(報告書の)予想は非常に誇張されている。パキスタンは責任ある核保有国であり、無謀な核保有国ではない」と述べた。

隣国イランが核兵器を開発するのを阻止しようとする取り組みに照らすと、パキスタンの核兵器増強は目を引く。

パキスタンが核保有国になったのは1998年。インドが2度目となる一連の核実験を行った3週間後に、パキスタンが核実験を6回実施したときのことだ。どちらの国も核拡散防止条約(NPT)に調印していない。

インドとパキスタンの核兵器プログラムは深い秘密に包まれており、欧米のアナリストらは長年、両国が保有する核弾頭数を正確に評価するのに苦労してきた。

パキスタンの安全保障問題評論家、ハッサン・アスカリ・リズビ氏は、パキスタンとインドの違いは、パキスタンの核プログラムがインドを抑止するよう設計されているのに対し、インドのプログラムは核保有国としての世界的認知を得ることを意図していると指摘する。

「パキスタンは、通常戦力が多くの点でインドに後れを取っているため、明らかに不利だ。パキスタンが核戦力により大きく依存しなければならないのは、そのためだ」と同氏は言う。

■「抑止の域を大きく超えている」

だが、報告書の著者であるカーネギー国際平和財団のトビー・ダルトン氏とスティムソン・センターのマイケル・クレポン氏は「既存インフラによって可能になったパキスタンの核兵器備蓄の成長軌道は、核爆弾の実験後にパキスタンの政府関係者やアナリストらが保証してきた信頼できる最小限の抑止の域を大きく超えている」と言う。

パキスタンは2004年、同国の核プログラムの創始者であるアブドゥル・カディール・カーン博士が核のノウハウと技術をイラン、リビア、北朝鮮に売った容疑で逮捕されたとき、核拡散の源であることが疑われた。パキスタン軍はその後、自国の核施設を管理下に置き、米国をはじめとした世界の大国に繰り返し、似たような漏洩の可能性を一切阻止してきたと保証している。

しかし、インドとパキスタンの核兵器開発競争に関する懸念は続いており、長年敵対する両国間の緊張が高まると、なお一層深まった。カシミール紛争地域を巡る和平交渉は8月下旬、協議開始予定の直前に決裂した。

「核関連の懸念に対処するためには、インドとパキスタンの紛争が解決されなければならない」とリズビ氏は警告している。

By Farhan Bokhari in Islamabad

(2015年8月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

(翻訳協力 JBpress)

(c) The Financial Times Limited 2015. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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