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スポーツで人を動かそう 地方にこそ「工夫の余地」

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2015/8/28 6:30
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――20年東京五輪・パラリンピックに向けて、自治体が外国チームの事前キャンプ地を目指す動きもある。

北京世界陸上に備え日本で事前合宿した外国勢
自治体国・地域期間
山形県ポーランド(49)8/12-19
栃木県ハンガリー(16)8/12-20
千葉県オランダ(約40)
ベルギー(約40)
8/12-23
米国(約200)8/10-26
和歌山県オーストラリア(93)8/7-25
鳥取県ジャマイカ(70)8/8-18
香川県デンマーク・エストニア・スウェーデン
(計60)
8/13-23
佐賀県ニュージーランド(16)8/5-20

(注)日本スポーツツーリズム推進機構のまとめ。カッコ内の数字は人数

北京で開催中の世界陸上でも、ジャマイカは鳥取、ニュージーランドは佐賀、米国は千葉というように、各国のチームが日本で事前調整を行った。20年のほかにも19年の日本でのラグビー・ワールドカップ、18年平昌冬季五輪、22年北京冬季五輪など日本各地が事前キャンプ地としてにぎわうだろう。訪れた選手や関係者が、写真をとって交流サイト(SNS)などで紹介すれば、その国からのアクセスが増え、いろんな効果が生まれる。

北海道のニセコのスキー場は外国人が多いことで知られるが、きっかけはオーストラリア人移住者の情報発信だった。奈良の熊野古道は最近、訪れる外国人が急増している。これもトレッキングという意味でスポーツツーリズムだ。今はSNSや口コミで情報が広がり、たくさんの外国人観光客がやってくる。外国チームのキャンプ誘致もそんな種まきにつながる。

景色や食、温泉を生かす

――Jリーグ発足後、国内各地にサッカー、バスケットなど地域密着型のプロチームが次々と生まれた。こうしたチームも観光資源としても生かせるのか。

日本のスポーツチームはブランド力が低いので簡単ではない。英国ならテニスのウィンブルドンでもゴルフの全英オープンでも、サッカーのプレミアリーグでも、プロスポーツを見るために海外から多数の観戦者が来るが、日本はプロ野球やJ1のチームでもそうはいかない。地域のチームでは地元以外から人を集めるのも大変だ。インバウンドを考えるなら、見るスポーツよりも、マラソンやスキーなど、するスポーツに風光明媚(めいび)な景色や食、温泉などをうまく組み合わせる方が効果的だろう。ラフティングやパラセーリングなど自然の地形を使用したスポーツもある。地方にとってこそ、工夫の余地がいくらでもあると思う。

サッカーなら、Jリーグのチームは格安航空会社(LCC)で結ばれているアジアの都市と組むのもいいと思う。定期戦など開催すれば、互いにサポーターがLCCで行き交う可能性も開ける。もちろん、試合をすればいいというものではなく、人を動かすにはそれなりの仕掛けが必要だ。

――20年東京五輪・パラリンピックでの訪日外国人をどうやって日本各地に回すのかも課題となっている。

五輪・パラリンピックの外国からの観戦客を首都圏から地方に回すのは難しいだろう。だが、今は中国から船で4700人が鳥取の港にやってくる時代だ。アジア各地からLCCで地方都市に直接、観光客が入ってくる。東京から回さなければと考える必要もないのでは。20年のビッグイベントは、日本が世界から人々を迎え入れる国となっていく上で、象徴的な意味があるのだと思う。

原田宗彦(はらだ・むねひこ) 1954年生まれ。大阪府出身。専門はスポーツマーケティング。ペンシルベニア州立大博士。2005年から早大スポーツ科学学術院教授。プロスポーツ、チーム経営、スポーツイベントなどスポーツビジネス全般を研究し、日本スポーツマネジメント学会会長、日本スポーツツーリズム推進機構会長、Jリーグ理事などを務める。
「スポーツ」のツイッターアカウントを開設しました。

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