橋梁の耐震補強部材に溶接不良 京都の2橋で発覚

2015/8/20付
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日経コンストラクション

道路橋の位置。国土交通省京都国道事務所の資料に、京都市の資料に基づいて日経コンストラクションが加筆

道路橋の位置。国土交通省京都国道事務所の資料に、京都市の資料に基づいて日経コンストラクションが加筆

ショーボンド建設とその関連会社がそれぞれ施工した京都市内の道路橋2橋の耐震補強工事で、補強部材に溶接不良による亀裂が見つかった。部材を製作したのは福井県にある同じ会社だった。工事を発注した国土交通省近畿地方整備局京都国道事務所は2015年8月12日に、京都市は12日と19日に発表した。

溶接不良があったのは、京都国道事務所が管理する国道24号の勧進橋(京都市南区、伏見区)と、京都市が管理する府道伏見向日線の京川橋(伏見区、南区)。どちらも鴨川に架かる。補強工事の施工者は、勧進橋がショーボンド建設、京川橋は同社の関連会社である関西化工建設(大阪市)だ。

■国交省は部材の品質確認の適否を調査

勧進橋は橋長88.7mの3径間連続鋼リベット非合成鈑桁橋で、1947年に完成。ショーボンド建設が13年9月~14年7月と14年9月~15年7月の2期にわたり、耐震補強などの工事を手掛けた。

補強が完了した直後の7月末、京都国道事務所は外部から「支承の補強部材や落橋防止装置が、本来の完全溶け込み溶接になっていない」という趣旨の通報を受けた。同事務所が該当する部材約150基のうち、橋を解体せずに調査できる80基を対象に超音波探傷試験を実施すると、約7割に当たる58基で溶接部の内部に亀裂が入っていることが分かった。いずれも溶接の方法は完全溶け込み溶接だったが、溶接作業が粗雑だったとみられる。

勧進橋(左)と京川橋(右)(写真:国土交通省京都国道事務所、京都市)

勧進橋(左)と京川橋(右)(写真:国土交通省京都国道事務所、京都市)

阪神大震災クラスの大地震が起こった場合でも落橋には至らないので、通行止めにはしていない。京都国道事務所では今後、残りの約70基の部材も調査したうえで、問題のある箇所を補修する方針だ。

ショーボンド建設によると、補強部材の製作時にサンプルを抽出して検査した際には、品質に問題は無かったという。

京都国道事務所は、ショーボンド建設の品質確認方法が適切だったかどうかを調査する考えだ。施工の瑕疵として同社に補修を求めるかはまだ決めていない。

■京都市は亀裂の補修を請求

一方、京都市が管理する京川橋は橋長116mで、2径間単純鉄筋コンクリート桁橋と3径間鋼ゲルバー桁橋からなる。1952年に完成した。関西化工建設が14年8月~15年8月の工期で耐震補強などを実施中だ。

京都市も第三者からの通報をきっかけに調査を開始し、落橋防止装置や変位制限装置などの補強部材52基のうち4基に基準を上回る亀裂があることを超音波探傷試験で確認した。ただし、溶接の方法は全て完全溶け込み溶接で、誤りは無かった。市は「耐震性は基本的には確保されている」(建設局橋りょう健全推進課)として、通行止めにはしていない。

市によると、京川橋の補強部材は、関西化工建設が製作段階で超音波探傷試験による全数検査を実施していた。さらに、市も同様の試験による抽出検査を実施していたが、いずれも亀裂などの瑕疵は見つからなかった。しかし、市は結果責任を問う形で、関西化工建設に補修を求める方針だ。

(日経コンストラクション 安藤剛)

[ケンプラッツ 2015年8月20日掲載]

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