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「後ろ倒し」の旗は降ろすな 提唱者の槍田氏に聞く

 今年から企業の選考活動の解禁が、例年の4月から8月に「後ろ倒し」になった。学生が前のめりになって学業をおろそかにしないように――。こうした思いで当初から後ろ倒しを提唱し、旗振り役を務めてきたのが前三井物産会長で国際大学理事長の槍田松瑩氏だ。現状をどう見ているのか、就活探偵団のインタビューに応じてくれた。

本社1階の学生を見て驚いた

――そもそも槍田さんはなぜ、「後ろ倒し」を提唱し始めたのですか。

槍田松瑩(うつだ・しょうえい) 1943年2月生まれ。 東大工卒。2002年、社員が逮捕された不正入札事件により前経営陣が引責辞任した後を受ける形で三井物産社長に就任。経団連の副会長、日本貿易会の会長も務めた。2012年、日経電子版の経営者ブログの中で、学生が学業に専念できるよう、長期化した就職活動の改革を提唱した。現在は三井物産の顧問として在籍し、今年6月には国際大学の理事長にも就任した。

「2012年の秋頃でしたか。東京・大手町の本社(三井物産)から昼食をとりに下の階に降りていったら、なんだか学生のような人が背広を着て、いっぱい玄関に居るわけですよ。『なんだこれは』と秘書に聞くと、『これは就職活動で、先輩の話とかを聞きにきたりしているわけですよ』と。『何年生だ?』と聞くと、3年生だというんです」

――それで、声をあげた。

「当時私は、三井物産の会長で、日本貿易会の会長もやっていたので、周囲の人間にも聞いてみたら、『変だよね』という人も多かった。だから、僕が『こんなに早く就活を始めなきゃいけないのはおかしくはないですか』と言ったら、経済界の友達も『皆で声を上げましょう』と言ってくれたのがきっかけです。それまでは学生たちがそれほどまでに早く就活を始めているとは、うかつにして知らなかったわけです」

「私どものころは、就活といっても4年生の暮れぐらいからでしたし、もっと遅らせて、いっそのこと通年採用にしてもいいじゃないかという思いがありました。でもとりあえずは、めだかの学校みたいに一斉に入るというタイミングを遅らせれば少しは落ち着くのかな、と思って『8月以降くらいに』とお話ししました」

――今回の「後ろ倒し」には賛否両論があります。

「遅らせたことによって、学生が迷惑してる、企業も大変になってるとメディアはかき立てますが、なんとまあ、レベルの低い国なんだろうと思っています。学生に同調的なことを書いているけれど、本当に学生さんのことを思っていないでしょう。本当に学生が大変なのは、そういうところに追い込まれて、おちついて勉強できないことなんですよ。もっと本質的にそういう環境を作ってしまっていることが問題なんですね。捉え方の目線が低すぎると僕は思っています」

いっそ10月まで後ろ倒しも

「学生時代に勉強するというのは本来の目的であって、やるべき時にやるべきことをきちっとやっておく、そういう姿勢から、しっかりと物を考えられる人間が形成されていくのだと思います。周りに踊らされて先走って、足元がおぼつかない生活態度を学生時代から身につけてしまうのは、学生にとっても大変に気の毒なことだと思いますよ」

――「後ろ倒し」は来年も継続させるべきでしょうか。

「経団連として決めたことですから、後ろ倒しを通じて目指したものは、きちっと目指すべきだと思います。次は10月まで遅らせよう、とかね。そちらの方向に流れをもっていくべきであって、ひ弱になって元にもどすというようなことになっては困ります。新聞によると、経団連の中でも、『必要なら見直しを』という意見があるそうですが、そんなことではダメだと思います。若者にはしっかり勉強してもらおうと思うなら、ここで踏ん張らないと」

人材会社にやられてる

――それでも、水面下で解禁前に採用活動をする企業はあります。

槍田松瑩 国際大理事長

「それで良いと思いますか? あえて申し上げると、人材会社にやられているんですよ。あおられちゃって。企業の人事部門が総なめにやられちゃっている」

「たとえば『人気企業ランキング』が毎年いろんな所から発表されますが、そんなことをされたら、学生は、社会人になって何をしたいなんて考える間もなく、とにかく人気ランキングの上のほうの会社に入ればいいと思ってしまい、甘やかされるのです。金融機関なのか商社なのかメーカーなのか、何も自分を見つめる機会のないままそこに入っていくわけですよね」

「どの業界をみても、あまり逸材というべき人がいなくなったと思いませんか? ちょっとそういう傾向が強まっているんじゃないかと思います。その出発点はやはり、学生をせかして、画一化させてしまっていることにあるんじゃないかと思います」

――守っている企業側も主体性がない気がします。「経団連が決めたから」と渋々従っている感じです。

「経団連が言ったから、ではなくて、何で経団連がそういう変更を提案したんだろうというのをよく考えれば、今おっしゃったような次元の低いコメントは出てこないと思います。そんなことを言う人事担当者は必要ないですね。それくらいの意識でしか理解できないのが日本企業の実情だとすれば、本当に嘆かわしいことです」

――学生は、早期に採用活動を始める企業に対して、どう対応すれば良いのでしょう。

「学生の方も、そんな意識の低い会社には行かなくていいと思いますがね。採用される学生本人が力をつける機会を失ってもなんとも思わないような経営者がやっている企業はろくな企業じゃない。経営者は中長期の視点が必要だとよく言われますが、彼らが追求しているのは目の前の利益だけでしょう。次世代を担い、僕らが夢を託すはずの若者の力を、他国に比べてどんどん劣らせていっているわけです。日本はどうやって若者を劣化させるかの実験をやっているような国だと思いますね」

1社、2社と動いてくれれば

就活の歴史
1920年代大企業を中心に
「選考試験は卒業後に実施」
という取り決めができる
1950年代産官学の連携で「就職
協定」が始まる
1960年代協定が守られず、一時廃止
1970年代一時復活
1990年代「就職協定」廃止、「倫理憲章」
を制定
2011年「倫理憲章」見直し。
会社訪問は3年の12月、
選考開始は4年の4月から
2013年「倫理憲章」から「指針」に。
会社訪問は3年の3月、
選考開始は4年の8月から

――槍田さんは三井物産の不祥事の後に社長になられ、会社の文化を変えていきました。今回も、最初に声を上げられた影響力は大きかったと思います。今後はどうしたらいいでしょうか。

「私は人事部とか、採用活動をしている現場には直接関わったことはありませんが、例えばいくつかのそれなりの規模の会社がきちっとした採用方針をうちたてて、世の中に風を吹かせるきっかけを作ってくれれば、こういう風潮は改まっていくのかなと思います」

「大変だとは思いますよ。だいたいの企業は、例えば人気ランキングの3位が5位になったりすると『なんでだ!?』と怒られて、あわくってお金を使って、就職のセミナーをあと5回増やしたら2位にあがってよかった、なんて話も聞きます。そんな短絡的な経営者の下で人事の担当や人事部長をやらされてたら、なかなかそんな声は上げられないですよね」

「だから、経営者自身が、本当に日本の経済や国を担っていく若者はどうあるべきなのだろうということをよく考えて、1社、2社、3社と対応してくれることしかないのかな、と今では思っています」

トップの意識次第

――経営者の意識が足りないのでしょうか。

「おそらく、採用という仕事はとても大切なことなのに、経営の重要なマターにはなっていないのだと思います。本来なら採用とは、買収とか設備投資とかいうことと同じぐらい大事なことです。だが、こうした仕事は人事畑の専門家の人々の仕事になってしまっているのでしょう。もちろん取締役クラスの人が人事部門を率いますが、かれらは数年で交代してしまう。その結果ランキングなどの数字を追うことになる。人事のスペシャリストの社員は惰性で動かざるを得なくなる。経営者が採用に対して意識改革ができない構造になっているのだと思います」

――槍田さんが、会長になって気づいたというのもそういう理由がありそうですね。

「僕は今ごろ気がついて本当に申し訳ないけれど、会長になってからこれは僕にとっても日本の若者にとっても大変大きな問題だなと思った。本当に変えるのなら、自分が責任者の時は大過なく過ごせばいい、というのではなくて、声を上げなければならないと思います。採用に対して、もっともっと経営層に問題意識を強く持ってもらいたいと思いますね」

――最後に就活生へのメッセージを。

「勝手なことを言ってきましたけれども、私たちの世代が就職するときはまだまだ日本は高度経済成長の中で、今日よりも明日がベターライフですよという時代でした。自分で新しいことを考えれば、それがより良い人生につながる。そういう意識を持てる世の中だったんですよね。今は経済的な意味でもかつてに比べれば相当停滞していますから、皆が必死に安定を目指して、焦ってしまうのかもしれませんね。そういう意味でも日本が経済成長の軌道を取り戻して力強くなることが大事なんだと思います」

(聞き手は雨宮百子)

大学側に「ルール」求める声も


 「(8月1日解禁が)破られたのは、予想通りだった」と語るのは、『「就活」の社会史」』(祥伝社新書)の著者で関西学院大学教授の難波功士氏だ。リクルートキャリアが今月12日に発表した1日時点の就職内定率は6割を超えた。多くの学生は、採用が解禁される前に内定を持っていたことになる。経団連の指針は新卒採用のフライングの歯止めにはならなかった。
 キャリア教育の一環として期待されたインターンシップも、優秀な学生を早く探す青田買いの温床となるケースが多かった。人材サービスのディスコ(東京・文京)の夏井丈俊社長は「企業側がルールを決めるうちは、学生を早く採りに行こうとするのは現実的に止められない。大学側に個々のルールを決めてもらうのも一案」と提案する。
 米国ではハーバードビジネススクールなどトップ校は、指定時期以外のタイミングで学生と接触をすると、学内でのセミナー開催や、キャリアセンターから情報提供を制限する、というペナルティーを科すという。
 日本でも一部ですでにその流れは始まっている。秋田県にある国際教養大は、単位取得が厳しく、卒業するためには留学も必須になっているため、学生の半数が留年する「学業優先」の大学だ。学内説明会には企業が殺到し、就職率はほぼ100%だ。学生を守る「最後の砦(とりで)」でもある大学が、これまで以上に声をあげてルール作りの一端を担うことへの期待も高まっている。
(松本千恵)
 次回は9月3日に掲載予定です。
 「お悩み解決!就活探偵団」では読者の皆様からのご意見、ご感想を募集しております。こちらの投稿フォームからお寄せください。就活探偵への就活生からの疑問は日経就職ナビのホームページから受け付けています。これまで寄せられた主な疑問もご覧になれます。
読者からのコメント
40歳代男性
就職活動に関して、現状の問題をもう少し深堀する必要があるのではないかと感じます。そもそも内定という制度、卒業見込み者を採用するという制度自体が問題を含んでいるのではないかと思います。いっそのこと、大学は在学中の就職活動は禁止し、企業側は卒業生しか面接をしないなど抜本的な改革があっても良いのではと思います。企業は通年採用でも、一括採用でもかまわないですが、一括の場合は入社時期を半年だけずらせば、新卒者も4月から就職活動し9月には入社できるスケジュールになるので大きな混乱は起こらないのではないでしょうか。そうすれば学生は学業に専念できますし、大学側ももっと卒業基準を厳しくすることができると思います。
Johnさん 40歳代男性
昨今の就活に対する槍田氏の意見はもっともではある。半年以上を費やし、学業や部活を犠牲にし、その上、同じタイミングで内定が出ないと、この世の終わりのような悲壮感で猛暑の中をスーツで歩く就活は本当に馬鹿げている。しかし、それを正す責任感を持って号令をかけたはいいが、時期を後ろ倒しにしただけで、他の施策を講じなかったことで混乱を招いた責任者が、批判に対して相手のレベルが低いという一言で居直っている態度はあまりに無責任である。氏の発言には、人事という機能の本質や、学生が置かれている状況を正しく理解していない部分も多い。責任ある立場なのだから、本気で正す気があるなら、来年に向けてしっかりと事実を踏まえ、混乱を他責にする以上の施策をしっかり検討していただきたい。
30歳代男性
誰かが声をあげなければ現状は変わらない。4月解禁の時は4月解禁でさまざまな不満や中傷があったはず。結局、なにも決断しない人間は文句を言うだけ。堂々と提言をし、それを実現させた槍田氏は、さすが三井物産を不祥事から建て直しただけあると思った。
16年卒学部生さん 20歳代女性
確かに、企業が8月解禁を守り、学生はそれまで就活をせずに学業に専念できるというのが理想かもしれません。しかし学生には新卒採用というリミットがあります。8月解禁は猶予期間が減るだけで学生は焦るばかり、結果として学業がさらにおろそかになっているのが現実です。そもそも8月に面接を開始するのならば、企業研究などをより時間をかけて行う学生が増え、結果的に就活期間だけが伸びることを何故予期していなかったのでしょうか?年数をかけてきちんと制度が定着するのを待つということは、私たちのような実験台の世代を犠牲にしているという現実に気づいていただきたいです。
40歳代女性
21歳の息子を持つ母親ですが、企業で新入社員教育を25年間しております。皆さんのご苦労を垣間見れるお話を伺えてそれぞれの立場の意見は、とても参考になります。少しだけ、残念なのは、はたして企業に就職することがゴールになってないか。就職は社会人としてのスタートだと思います。仕事を真剣に選んでいるのか疑問に思うことも日常茶飯事です。また会社に入れば臨機応変さを求められます。今回制度が変わりそのため卒論の時期が大変だとおっしゃっては、通常の会社では、ついていけないかもしれません。なぜなら、経済状況も日々変化しており、その都度会社も対応していくからこそ継続できるのではないでしょうか。制度が変化するのは、会社も同じです。しかし、それに対応していく力もこれからは必要なのではないでしょうか。日本は恵まれています。就活タイミングが後倒しでも対応できると信じたいですね。
16年卒学部生さん 20歳代女性
確かに、企業が8月解禁を守り、学生はそれまで就活をせずに学業に専念できるというのが理想かもしれません。しかし学生には新卒採用というリミットがあります。8月解禁は猶予期間が減るだけで学生は焦るばかり、結果として学業がさらにおろそかになっているのが現実です。そもそも8月に面接を開始するのならば、企業研究などをより時間をかけて行う学生が増え、結果的に就活期間だけが伸びることを何故予期していなかったのでしょうか?年数をかけてきちんと制度が定着するのを待つということは、私たちのような実験台の世代を犠牲にしているという現実に気づいていただきたいです。
千反田さん 20歳代男性
今年就職活動をした、大学院生です。一番研究のしたい、やらねばならない時期に就職活動解禁となり、経団連の方は研究者に対して酷い認識しかいないと思っております。それとも高度経済成長期には、大学三年までに勉強を終えて、四年生では学業以外のことに専念していたのでしょうか。気になります。 10月にするという発言にも呆れました。時代は変わった、ということも認識していただきたいと思います。昔はこうだった、私はこうだった、という意見ではなく、現状の問題点とそれに対する対応策について、もっと議論を尽くしていただきたい。
50歳代男性
就活生の親です。後ろ倒しには反対しませんが、3月説明会、8月選考解禁という長過ぎる就活期間が大きな弊害をもたらしています。ごく一部の優良企業を除いて、8月まで実質的な採用活動をしないというのは不可能だし、不安に駆られた学生が授業そっちのけで会社訪問するしかないのは当たり前です。それを「次元が低い」とか「意識が低い」なんて、この方は失礼ながら、就活の現場のことが全くわかってない。学生も採用担当者もお互い必死なんですよ! 三井物産のように「さあ8月1日から来なさい」と言っていても余裕で優秀な学生が集まる企業というのは、全体のごく一握り。そこで勝ち残るTOEIC900点以上といった学生もほんの一握りです。どうしてそんな簡単なことがわからないのでしょうか?
20歳代男性
結局、後ろ倒しにされたのは企業の採用活動。就職活動は学生がすることであり、企業側が何かできることではない。学生が早くから就職を意識することの賛否は置いておいて(私個人としてはおおいに賛成)就職活動が早期化している中、採用活用を遅くしたら、活動が長期化することは自明。
50歳代男性
目指すものは理解出来ますし、理想を追うのも悪くはないと思いますが、実際に就職活動期間が長期化し、勉学に影響が出ているのは事実です。息子は修士ですが、本来研究に没頭できる夏休みも丸潰れで、学会発表準備期間がとれず、秋の学会にも発表が出来ないという状況に陥っています。先に環境を整えてから制度を変えなければ、学生にとっては、迷惑以外の何物でもありません。経団連や企業にとっては、過程の1年でしょうが、学生にとっては、短い4年なり、2年の内の1年であることを考えて準備すべきです。 今回の変更は単なるトップの思いつきとエゴと評価されても仕方がないと感じます。来年からでも一旦凍結し、準備が出来るまでもとに戻すべきと思います。企業側は、もとに戻すとなると非常に労力を要しますが、去年までやっていたことですので、若い学生にしわ寄せするよりは良いと思います。もっとも我が家の息子の1年は、戻せませんが・・・
日本を憂う男さん 50歳代男性
就活後ろ倒しが、学生に理不尽な負荷を与え、企業にも混乱をもたらしているのに、この提唱者は理想通りに動かない企業が悪い、人材会社が悪いと強弁している。悪いのは、後ろ倒しという施策である。一つの施策が、現実にどのような変化をもたらすかが重要であり、意図が良くても結果が悪い施策は「悪」である。 このような人間がまだ影響力を持っている日本が嘆かわしい。早く退場していただくことを願うばかりである。
純ちゃんさん、50歳代男性
学生がしっかりと物を考えられる時間は大切とのメッセージは、もっともだと思う。しかし世の中の変化は激しい。通信環境ひとつ考えても、わたしの時代とはずいぶん違う。そうした環境のなかで、「後ろ倒し」が所期の効果をあげていないようでもある。
50歳代男性
就活生を持つ親として、理想論で発言しているのを見ると日本の将来がますます不安になります。現実を見て欲しいです。
30歳代女性
人材会社社員です。関係者がそれぞれの視野でしかこの事態を見ていないからお互いに好き勝手なことを言い混乱を招いている。やるならペナルティのない指針ではなく違反したら罰則があるなどの拘束力のある条例のようなものにするなど、そこまで振り切ってやらないと中途半端では却って全員が迷惑。企業や学生が向上心を持つのは当然のこと。
30歳代男性
大学教員の立場から。就活の後ろ倒しは迷惑でしかない。本来4年生は3年間勉強してきた知識を元に1年かけて卒業研究をする時期。従来の就活は3年後期に準備をし、春休みから4年前期にかけて面接を受け、夏前に内定を取れた。これだと学生は4年の夏前ごろから卒論に頭を切り換えることができる。しかし今のやり方では4年前期は就活の準備で忙しく、夏休みは完全に就活に時間を取られ、まともに卒論に取り組めるのは後期が始まってから。すると1月の卒論提出までのたった3ヶ月ほどしか卒業研究の時間は無い。 まじめな学生ならゼミ以外の単位はほぼ3年前期までに取り終わり、3年後期は比較的時間に余裕がある。したがって、時間のある3年後期に就活の準備をさせ、4年前期に内定を取らせる昔の方が、勉強の集大成のはずの卒業研究に真剣に取り組ませることができた。後ろ倒しは留学する学生など、ほんの一握りにしかメリットは無い。
16卒 男子大学生さん、20歳代男性
三井物産は8月1日に通常の一次選考と並行して、インターンに参加した学生と、OB訪問をたくさんこなした優秀な学生の一部に対して最終面接を行っていたのに、こんな事を良くも堂々と言えるなと思います。優秀な学生を囲い込みたくなる事は分かりますし、OB訪問をたくさんこなす事も大変であることから評価されるべきで、一部の学生を優先的に面接する事は理解できます。ですが、学業を優先しろと言って就職活動解禁時期を後ろ倒しにした企業が8月1日前に行ったインターンやOB訪問を通して選考をしているのはおかしくないでしょうか。5~6月に卒業論文に力を入れて取り組んでいた自分が馬鹿みたいです。自社ですらルールを守れてないのに、文句を言う奴らが目線が低いだの、学生のレベルが低いだの言わないで頂きたいです。
20歳代男性
記事を読ませていただきましたが、この方の思い込みと学生への思いやりで現状の就職活動が強いられているのだと思うと憤りを感じました。この人達が大学生であった頃と、今の大学は違います。 (そもそも、昔の大学生は本当に学んでいたのでしょうか?授業にもろくに出席せず、試験を受ければ単位がもらえて、卒業という大学教育を受けてきた人たちに今の大学や大学生を批判する権利があるのでしょうか?)進学率の上昇とともに学生の意識というのも多様化しています。かつてエリート教育として機能していた高等教育の考え方をそのまま現代に転用したところで、多くの学生にとっては良い迷惑だと思います。私は大学院生ですので、現行の就職活動が研究活動を妨げる最大の要因になっていると感じます。そのような状況も理解せず、「10月解禁にすべき」などと呈する人がいることに言葉も出ません。
近田誠三郎さん、20歳代男性
いくら私達が「(スケジュールが後ろ倒しになったために)就活が長引いてつらい、疲れた」という声をあげても、結局「学生が学業に専念するためには仕方ない」という一言で片付けられるのだと思いました。学業をおろそかにして、卒業後の進路決定を早めにする学生は確かに問題ですが、だからといって後ろ倒しにすればそういう学生が減るとも思えません。また、皆将来を心配しているからこそ「早く進路を決めたい」という焦燥感に駆られるというのに、その焦燥感に拍車をかけるようなこの「後ろ倒し」は、はっきり言って何のメリットも感じません。「就活後ろ倒し」の提唱者が、自分の決定にプライドを持ち、「(就活スケジュールを)今更簡単には変えられない」と思うことは勝手ですが、それによって被害を受ける人々がいる事も、少しは意識してほしいです。
20歳代女性
今年就職活動をした者です。なんだか考えが浅いなぁ、というのが正直な感想です。企業の最大の目的が利潤追求な以上、結局、企業は人材獲得競争に勝つために指針を守っているフリをして裏で選考を進めるしかない。結果、就活の後ろ倒しによって選考は不透明化し、活動時期の長期化を招きました。私自身も勉強時間を削り、1年近く就活を行いました。 経団連がこれを企業や人事担当者のせいだと言い張り、今後「1社、2社、3社と対応してくれること」を期待しているだけで何の施策も言及しないのでは、この先が非常に不安になります。来年の後輩にはこんな想いはさせたくないです。 この「8月後ろ倒し」という施策自体が、本当に学生のことを考えて検討を重ねた上の施策だったのか。疑問と憤りを感じます。

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