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デー、初のメジャー頂点 ゴルフも人生も起伏の末に
米ゴルフウイーク誌記者 ジム・マッケイブ

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2015/8/19 6:30
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今回、男子ゴルフの全米プロ選手権が行われた米ウィスコンシン州コーラーにあるウィスリングストレーツの18番は起伏が激しい。まず上って、それから下りて、また上って――。

その最終日、最終ホールを単独首位で迎え、優勝をほぼ確実なものとしていたジェーソン・デー(オーストラリア)は、どんな思いでそこを歩いていたのか。

12歳で父亡くし、アルコール依存症に

少なくとも足取りが重くなることはなかったはずだが、あのアップアンドダウンは彼のゴルフキャリア、いや人生を象徴していた。

3歳で父親から3番ウッドを与えられた。6歳で地元のゴルフコースのジュニアプログラムに入った。8歳の頃には、地元の大会で勝つようにもなっていた。

ところが、12歳のときに父親を胃がんで亡くし、道標を失う。「幼いときに父親をなくしたことは、ショックだった。あれで家族は壊れてしまったし、僕と姉は荒れた。学校で暴れたり、12歳で酒を飲むようになって酔っぱらったり……」。アルコール依存症にもなったデーは朝まで遊び回るようになり、姉の1人は家出をして3年も帰ってこなかった。

そのとき、いくつも仕事をこなしていた母親はデーを立ち直らせるために、クーラルビン・インターナショナル・スクールという全寮制の学校に入れている。そこはトップアスリートを育てることでも知られ、陸上女子400メートルで五輪金メダルを取ったキャシー・フリーマンがかつて在籍し、アダム・スコット(オーストラリア)も卒業生だ。

もちろん、学費は安くはない。母親は家のローンを払うためのお金を借りることまで迫られたが、彼女はデーの才能を信じていた。

そのデーは当初、新しい環境になじめず、ゴルフ部に入ったものの、コーチとの言い争いが絶えなかった。しかし、徐々に彼は変わっていく。家族が自分のために犠牲を払っていることを理解。コーチに謝罪し、指導に耳を傾けるようになった。

メジャーで好成績続くも勝ちきれず

そのコーチというのは、今回最終ホールでパットを沈めると涙をこらえきれなくなったデーに肩を貸した、キャディーのコリン・スワットンだ。以来、スワットンはコーチとして、キャディーとして、第2の父親としてデーを支えていくことになる。そういう背景を知っているゴルフファンなら、あの2人が抱き合って泣いているシーンを見て、胸が熱くなったのではないか。

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