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ゴルフを次世代へ 全米オープンで感じた意気込み
公益財団法人ゴルフ協会専務理事 山中博史

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2015/8/17 6:30
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世界のゴルフ界はすさまじいスピードで変化しています。それは大きな試合の会場選定やセッティング、興行面、さらにテレビ放映などに見て取れます。競技委員として参加した全米オープン(6月18~21日、チェンバーズベイGC)を通じて、その一端を紹介したいと思います。

毀誉褒貶あれど、ぶれないUSGA

レフェリーとして参加した全米オープンは今回で10回目でしたが、コース設定、セッティング、興行面、ルールや競技運営などでこれほどまで酷評された全米オープンは記憶にありません。ゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)の「私が見た最悪の試合だ」に代表されるように毀誉褒貶(ほうへん)がいろいろありました。ですが、ある意味、同業者として今回の米国ゴルフ協会(USGA)のぶれない姿勢には敬意を表したいと思っています。

そして、最終日のあの顔ぶれによるデッドヒートから、ジョーダン・スピース(米国)という次の時代を担う選手が栄冠をつかむというドラマを演出したことを考えると、結果的には「今回の全米オープンは成功」といえると思います。試合前からマスコミにあれだけたたかれれば、主催者側も少しはひるむものです。ところがUSGAは最後まで全くぶれませんでした。これは、なかなかできることではありません。そんなUSGAの意思と姿勢には脱帽です。

確かに興行面では不評でした。舞台となったチェンバーズベイGCはレイアウトの関係でギャラリーが入れないホールがいくつかありました。ギャラリースタンドもいうほど多くなく、ギャラリー数も2万~3万人くらいだったと思います。通常の全米オープンなら1日に4万人くらいギャラリーが入るので、チケット収入は大幅減だと思われます。遠くからしか観戦できないホールも多く、選手家族や関係者らラウンドについて回りたい向きからは不満が寄せられました。

おまけにかつては砂利採掘場だったコースは、硬い砂地に加えて、傾斜やアップダウンがきつく、つまずいたり足を滑らせたりして転倒事故が相次ぎました。特に重いバッグを担ぐキャディーが3人も負傷し、翌日ギプスを巻いて出てくるシーンもありました。3日目には私がレフェリーについた松山英樹のキャディーが足をひねって、ラウンド中に救急隊を呼ぶシーンもありました。

いろいろなコースに慣れているはずのキャディーですら、これだけのけが人がいるのですから、ギャラリーにも相当数のけが人が出たと思います。こうした事態はUSGAもある程度予想していたようで、ほかの試合に比べて救急チームも多く配置されていました。

選手悩ませたフカフカのバンカー

コースで使われている芝草も米国では育ちにくいフェスキュー(全英オープンを開催するリンクスで使われる芝)で、グリーンにはそのフェスキューに芝目がきついことで知られるポアナが混在し、選手たちも特にショートパットには大変苦労していました。またグリーンとその周辺のエプロンが、同じ芝、同じ刈高だったため、白点線でグリーンの境界を示していました。

同じホールでも日によって、使用ティーインググラウンドを思い切って変え、パーの設定まで入れ替えたのも印象的でした。選手は日によって、変化するセッティングに対応しながら、いろいろなラインでターゲットに打っていかなければならなく、ホール攻略法、ショットバリエーション、メンタルの引き出しの多い選手が有利になります。いろいろな意味でのゴルファーの実力を試せるわけです。

そして何より選手を悩ませたのがフカフカの砂のバンカーでした。グリーン側の砂面が壁のようになっているケースが多いので、ボールが埋まりやすいだけでなく、一歩間違えればロストボールになる危険があったからです。

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