スペシャル

フォローする

「侍」の心伝える清水直行さん、野球普及へNZで奮戦
編集委員 篠山正幸

(1/3ページ)
2015/8/12 6:30
保存
共有
印刷
その他

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)などの国際試合で戦うのが「侍」なら、野球に取り組む環境が整わない国で悪戦苦闘しながら普及を進める人もまた侍。元ロッテのエースで、現在ニュージーランド(NZ)で野球を教えている清水直行さん(39)も、その一人だ。

「日本の野球の心を伝えたい」という清水さん

「日本の野球の心を伝えたい」という清水さん

世界ランク20位台、代表招集も一苦労

文字通り、日本代表の「侍」としても活躍した清水さん。2004年のアテネ五輪では銅メダル獲得に貢献。06年のWBCでも代表入りし、世界一のメンバーとなった。

NZ行きを決めたのはDeNAを退団したあとの13年だった。この年開催された第3回WBCの解説を務めて「世界」に目を向けた。「どんな国が参加しているのだろう」。改めて参加国を眺めてみると今まで野球を連想させなかった国が多いことに気づいた。この第3回大会で初めて予選に参加したNZも、そうした国の一つだった。

ラグビーのオールブラックスは知っていても、NZの野球代表チーム「ダイヤモンドブラックス」を知っている人はそうはいまい。

世界ランキングでいうと20位台。実はソフトボールの強豪国であるNZからは、野球のプロも出ているのだが、トップ選手は米球界のマイナーリーグか、比較的野球が盛んな隣国、オーストラリアに出て行く。代表チームを招集するだけでも一苦労というのが実情だ。

この国が清水さんの心にひっかかった。引退後、さあ何をしようかとなったときに、WBCの解説で世界に目が見開かれた。外国で野球を教えるのもいいかもしれない。教えるなら片手間でなく、自分の子供たちも連れていって"住み込み"で、腰を落ち着けてやってみたい――。

体格のいい選手も多く、「野球国」としての潜在能力を感じるという

体格のいい選手も多く、「野球国」としての潜在能力を感じるという

そうした要望にも、気候温暖なNZはぴったりだったようだ。思い立った清水さんの行動は電光石火で、NZの野球連盟にメールで自分を売り込んだ。訪問販売のような、ほとんど飛び込みのアピールだった。

グラウンドに集結するのにもハードル

「その後は(インターネット電話の)スカイプで交渉した」(清水さん)。NZ側としてはむしろ、何のコネもないのに接触を図ってきたところに、動機の純粋さをみたのだろう。同国野球連盟のゼネラルマネジャー(GM)補佐、代表チームの統括コーチという肩書で、14年から活動することになった。

活動拠点はオークランド。住んでみなければわからないことが多かった。現在指導しているのは11歳から13歳という、日本でいえば小学校高学年から中学生といった世代。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

プロ野球コラム

電子版トップスポーツトップ

スペシャル 一覧

フォローする
巨人時代の金田正一投手(1969年10月)=共同共同

 400勝投手、金田正一さん(国鉄=現ヤクルト、巨人)の死去を受け、ソフトバンク球団の王貞治会長は巨人に入って初めて対戦したときの印象を「別格以上の、それこそ大別格の投手だと感じました」と語った。「大 …続き (10/7)

語り合う権藤氏(左)と野茂氏

 NOMOベースボールクラブを率い、独自の挑戦を続ける野茂英雄氏と、独特の視点の評論を展開する権藤博氏に、理想の監督像など、プロ野球や社会人野球への思いを語り合ってもらった。 …続き (3/28)

語り合う権藤氏(左)と野茂氏

 NOMOベースボールクラブを率い、独自の挑戦を続ける野茂英雄氏と、独特の視点の評論を展開する権藤博氏に、理想の監督像など、プロ野球や社会人野球への思いを語り合ってもらった。 …続き (3/27)

ハイライト・スポーツ

[PR]