2019年9月17日(火)

不覚にも「恋しちゃった」 ソニーの没入型ゴーグル
ジャーナリスト 新 清士

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2015/8/8 6:30
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 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が開発している、プレイステーション4(PS4)用のバーチャルリアリティー(VR)ゴーグル「プロジェクト・モーフィアス」をいち早く体験する機会を得た。VRゴーグルを装着して対応ソフトをプレーしてみたところ、まるで現実世界にいるかのように感じさせる迫力があった。最新のVR事情を追った。

バンダイナムコエンターテインメントが開発しているVR対応ソフト「サマーレッスン」の画面例。日本語のテキストを登場キャラクターの女性が示すシーン。VRゴーグルを装着すると、真横に座っているように感じられる

バンダイナムコエンターテインメントが開発しているVR対応ソフト「サマーレッスン」の画面例。日本語のテキストを登場キャラクターの女性が示すシーン。VRゴーグルを装着すると、真横に座っているように感じられる

体験会でプレーできたVR対応ソフトの中で、ひときわ目を引いたのがバンダイナムコエンターテインメントの「サマーレッスン」。プレーヤーが、金髪の外国人女性に、日本家屋の縁側で日本語を教えるという設定だ。開発しているのは、格闘ゲーム「鉄拳」シリーズと同じチーム。CGに関しては世界トップクラスのノウハウを持っており、VR向けコンテンツの開発でも他社より先んじていると評価が高い。ゲーム業界関係者の間でも、大きな話題となっている。

■恋愛感情を抱いてしまいそうなリアリティー

体験したサマーレッスンのデモプレーは5分間と短かったが、VRだからこそ実現できる魅力的で強力な内容だった。何より驚いたのが、登場するキャラクターが、あたかも自分のそばに実在していると錯覚させる点だ。

そう感じさせる工夫の一つが「パーソナルスペース」である。人間には、他人が近づいてくると不快に感じる一定の距離があると言われている。どこまで近づくのを許すかによって、相手との関係性が決まる。手で相手に触れられる45センチ以内の距離を「密接距離」と呼び、ごく親しい相手でないと近づいたり近づかれたりすることは少ない。

ところが、この密接距離の内側に、登場キャラクターの女性が自然に何度も入り込んでくるのだ。女性は、プレーヤーを「センセイ」と呼び、最初から肯定的な感情を持って接してくる。横に座って日本語のテキストを一緒に読み進めていくと、時折、女性が顔を近づけて密接距離に入ってくるので、なんだか気恥ずかしい気持ちになる。かといって、こちらから不自然に距離を詰めようとすると、女性は避けるように離れていく。これらがプログラミングされた演出だとわかっていても、あまりの自然な振る舞いに、現実世界であるかのように錯覚してしまう。

この「キャラクターとの距離感」は、テレビモニターを見ながらプレーする従来のゲームでは実現不可能だった体験だ。製品版が発売されたあかつきには、仮想世界の女性だとわかっていながら、恋愛感情を抱いてしまうユーザーが出てくることは想像に難くない。

「サマーレッスン」のデモ映像。目の前に女性が立っているように見える

「サマーレッスン」のデモ映像。目の前に女性が立っているように見える

映像も非常に美しい。モーフィアスが採用する有機ELディスプレーは、一般的な液晶ディスプレーと比べ、自然な色を表現できる。はるか遠くに見える夏空や海の色の深さが、リアリティーをより高めることに寄与している。

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