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5面スクリーンのVRシステムで建機を開発 コマツ

日経テクノロジーオンライン

日本SGI(本社東京)は2015年7月31日、コマツの小山工場(栃木県小山市)に設計・開発用バーチャルリアリティ(VR)装置「5面VRシステム」を納入したと発表した。コマツは同装置を、2015年6月に竣工した「小山テクニカルセンタ」に設置し、利用を始めた。小型建設機械やフォークリフトの開発・設計に活用する。

同装置は、正面/左右/床/天井の各面に配置したスクリーンに建機内部の様子を立体投影し、仮想現実空間内で運転者や整備者が作業を体感できるようにするもの。例えばフォークリフトの操作では、運転者が荷役用のつめ(フォーク)を見上げる機会が多く、運転席から上方への視界を確認することが設計・開発段階から重要という。そのため同装置では、従来装置の正面/左右/床の4面に加えて天井面にもスクリーンを設置した。

同装置を利用することで、設計・開発時に運転席からの操作性や視界性、安全性をシミュレーションしたり、その結果をリアルタイムに3D-CADデータに反映したりできる。車体内部も実物大で立体的に見られるため、ポンプやエンジンといった部品の点検や整備についても、実物を扱うように確認できる。これによって開発効率が向上するため、開発期間の短縮が可能。整備や細かな修理のしやすさを検討できるほか、的確で効果的な実装評価が期待できる。加えて、こうした作業の精度を高めるために、第三者が別のモニターを通して運転者と整備者の動作や視点、機械の動きを確認できる機能も持たせた。

同システムは、5面のスクリーンと米Christie Digital Systems製のプロジェクター、独ART製のモーション・キャプチャー用光学式カメラから成る。幅3.8×奥行き2.4×高さ2.4mの立体映像を映し出すスクリーンシステムには、さまざまな種類のフォークリフトなどを実物大で投影できる。いずれの面も、スクリーンの背面から映像を投射。天井高が限られていても、ゆがみや変形、不要な影のない自然な画像を投影できるように、スクリーンの設置角度を工夫したり鏡を利用したりしている。

立体視処理にはNVIDIAの最上位GPUを搭載した日本SGIのビジュアライゼーション専用システム「Asterism」5台を使用。パソコンで作成したCADモデルをVR空間に表示する自動立体表示化ソフトには、仏TechVizの「TechViz XL」を採用している。

コマツは建機の開発力強化を目的として、2011年から主力工場にVR装置の導入を進めてきた。2011年5月からはクローラー系大・中型建機を生産する大阪工場(大阪府枚方市)で、2012年12月からはタイヤ系大型建機を生産する茨城工場(茨城県ひたちなか市)で、さらに2013年3月からはクローラー/タイヤ系の中・小型建機を生産する粟津工場(石川県小松市)で、それぞれ4面VRシステムが稼働している。

(日経テクノロジーオンライン 松田千穂)

[日経テクノロジーオンライン 2015年7月31日掲載]

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