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新国立、何を捨て何を満たすか 万人納得は難しく
編集委員 北川和徳

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2015/7/31 6:30
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2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の建設計画が白紙に戻り、整備計画の再検討が始まった。五輪開幕まで5年足らずの限られた時間で、建設費を抑えながら、どんな機能を持つスタジアムを造るべきなのか。政府はアスリートや有識者の意見を聞きながら、秋には新整備計画を策定するという。一般の意見を把握するため、インターネットを使った意識調査も実施する。今では誰もがこうすべきと、一言もの申したくなる国民の関心事。議論を整理するために論点となる機能とそのメリット、デメリットをまとめてみた。

収容人数は8万人を維持、縮小?

最大のポイントはスタジアムの規模となる。つまり収容人数を何人で設計するかだ。白紙になった計画で当初案は8万席だった。その後、工費と工期の圧縮のため6万5000席で建設し五輪の時だけ仮設1万5000席を加えた計8万席と変更。だが、サッカー関係者から「8万席以上でないと将来サッカー・ワールドカップ(W杯)を招致するときにメーン会場にできない」と注文があり、常設8万席とする方向で再検討すると迷走した。

スタジアムの規模を縮小すれば、工費を削減できるだけでなく、ぎりぎりの作業を強いられる工期にも余裕が出てくる。周囲の景観や環境への影響もかなり抑えられる。一方で、五輪招致の際に8万人収容のメーン会場を国際オリンピック委員会(IOC)などに約束した「国際公約」がある。北京五輪は9万席、ロンドン五輪8万席だった。デザイン変更にはおおらかだったIOCもこれには苦言を呈するだろう。

だが、五輪のメーン会場の収容人数にルールがあるわけではない。目安となるのは陸上競技の会場に求められる6万席。開催都市の財政負担や住民感情に配慮する最近のIOCなら、変更を受け入れるはずだ。

コンサート会場など文化イベントとして活用するにも、これから人口減少が進む日本でこれだけの観客が入るイベントはそう多くはない。常設8万席を用意する主な理由はサッカーW杯のためとなる。五輪と同様に、日本でのW杯単独開催を待ち望む声はサッカーファンを中心に根強い。二者択一ならW杯をまた日本で見たいという意見が半数を超えるのではないか。それが本当にこれからの日本にふさわしいものなのか、可能性はどのくらいあるのかなど、雰囲気に流されない冷静な議論と判断が求められる。

開閉式屋根は必要、不要?

開閉式屋根の設置は、これまでの計画でも五輪後に先送りされることが決まっていた。屋根があればスタジアムはどんな天候にも対応できる。だが、夏季五輪の開会式や閉会式が、過去に屋根の下で開催されたことはない。開閉式屋根が付けば大規模な空調設備が必要となるし、天然芝の維持も大変になる。設備を保全するためのコストもかかる。すでに政府も開閉式屋根は設置を断念する方向で検討しているようだ。

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