2018年12月18日(火)

巨大建機をCGで再現、試作機なしでも操作を体感

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2015/8/12 6:30
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日経情報ストラテジー

 油圧ショベルや巨大なダンプカーといった建設機械を手掛ける日立建機は、開発中の建設機械を仮想現実(バーチャル・リアリティー=VR)でレビューできるシステムを導入。試作することなく製品を体感できるようになり、レビュー中の議論も活発になった。

「そこの隙間から手を入れて、旋回装置を固定するボルトまで手が届きますか?」「届くことは届くけれど、この隙間だとボルトの締め付け作業がやりづらいな」「確かに作業しづらそうですね。生産ラインでの組み立てや保守のしやすさを考えると、隙間はもっと広げたいな」─―。

これは、日立建機のデザインレビューで交わされるやり取りだ。同社は製造や営業、品質管理、保守サポートなどの担当者に開発途中の建設機械をそれぞれの立場からレビューしてもらい、出てきた様々な改善要望を設計に反映している。

冒頭の会話を聞くと、まるで試作した建設機械が目の前にあって、担当者はそれを眺めたり触ったりしながらレビューしているように思える。しかし実際に担当者の目の前にあるのは、キヤノンの映像システム「MREAL(エムリアル)」が作り出した"仮想現実"の建設機械だ。電通国際情報サービスがシステム構築を手がけ、2013年4月から現場に導入している。

日立建機でのデザインレビューの様子。HMDを利用する

日立建機でのデザインレビューの様子。HMDを利用する

■原寸大の建設機械が視界に広がる

仮想現実の建設機械とは、3次元(3D)CAD(コンピュータによる設計)データを基にして描写したCG(コンピュータグラフィックス)映像のことだ。CG映像をMREAL専用のヘッドマウントディスプレー(HMD)をかぶって見る。すると原寸大の仮想現実が視界に現れ、試作機の実物をレビューするのと同じような感覚で仮想現実の建設機械をレビューできる。例えば、建設機械の運転席に見立てたいすを事前に用意しておけば、実物の運転席に座ったのと同じ感覚でレビューすることが可能だ。

ただし、日立建機が導入したHMDは1台だけなので、レビューできる参加者も1人に限られてしまう。そこで同社は、HMDと同じCG映像を大型モニターに出力し、集まった参加者全員が同じCG映像を大型モニターで見ながらレビューできるようにした。モニターを見てレビューする人たちは、HMDを装着した人に動きを指示して、自分が見たい位置や視線の向きからのCG映像をモニターの画面に表示してもらう。

HMDをかぶって、運転席に座った状態を体感できる(左)。画面には運転席からの眺めが表示される(右)

HMDをかぶって、運転席に座った状態を体感できる(左)。画面には運転席からの眺めが表示される(右)

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