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我こそ次代の旗手 日本ハム中田、勝負強さに磨き 聞いて吸収して成長

スポーツライター 浜田昭八

日本ハムの主砲中田翔は大阪桐蔭高の先輩、西武・中村剛也を「おかわりさん」と呼ぶ。「おかわり」はご飯を何杯もおかわりする大食漢中村のニックネーム。それが今では、本塁打を連発する中村の看板ネームになっている。中田は敬意をこめて「さん」付けだ。なんとかこの先輩を抜きたいと思うが、なかなか近付けない。

高校先輩を参考、後輩からも刺激

入団5年目の2012年に144試合全部で4番に座り、西武の4番中村と激烈なホームラン王争いを繰り広げた。結果は中村が27本でタイトルを取り、中田は3本差の24本にとどまった。接近するたびに引き離され、「おかわりさん」の底力を見せつけられた。今季のホームランダービーでも中田が先行したが、夏場に強い中村が固め打ちしてリードを奪われた。「おかわりさんがじりじりと上がってくるでしょう」と言ったのは、先輩の力をよく知っているからだった。

西武には6学年上の中村のほかに、大阪桐蔭勢が3人いる。同学年の捕手岡田雅利、1学年下の内野手浅村栄斗、6学年下の指名打者、外野手森友哉だ。西武は浅村、中村、森をオーダーの中心に並べることが多い。岡田は控えだが、捕手の視点で同期生の中田を見詰める。西武戦になると、中田は他のカードよりも緊張する。同時に、同窓生にぶざまな姿を見せられないと張り切る。

中村はボールが飛ばないといわれた時期にも40本台のホームランを放ち、何度もタイトルを手にした。三振を恐れないスイングだが、決してラフではない。体の軸をクルリと回して打球の飛距離を伸ばす技術は大いに参考になった。後輩の浅村、森の積極性にも刺激を受けている。

野球に関してまじめで研究熱心

同窓生の打撃は見て参考にするだけだが、中田は人見知りせず誰にでも打撃の話を持ちかける。茶髪にした派手なヘアスタイルなどで誤解されることが多いが、野球に関しては非常にまじめで研究熱心だ。まだレギュラーでなかったころ、オリックス在籍中のカブレラ(シーズン55本塁打のパ記録保持者)にアドバイスを求めたこともあった。微妙な膝の使い方を話し合う大男2人の様子は、さながら野球教室の先生と生徒という感じだった。

最近では、引退したチーム先輩の稲葉篤紀に間の取り方を事細かに教わった。ためらいなく尋ね、素直に吸収する。この姿勢が中田の打撃に年々磨きをかけ、球界を代表する強打者へと向かわせている。昨年はフル出場して100打点をマーク、初の打点王に輝いた。

07年秋のドラフトでは、日本ハムのほかにソフトバンク、オリックス、阪神からも指名された。大阪桐蔭高では投手もやり、150キロ近い快速球を投げた。だが、どの球団も中田の優れた打撃センスを評価し、打者として獲得したい意向だった。08年から日本ハムの監督は梨田昌孝になったが、中田を打者として育てることに、もちろん異存はなかった。

若いチーム引っ張る役割求められ

これまでのところは、パワーヒッターの通例で打率は高くない。13年に3割5厘を打ち、打撃30傑の8位に食い込んだのが最高。それでも勝負強ければ文句はない。2割6、7分台の打率で100打点を目指すのがチームのためになるのではないか。本塁打の最多は13年の28本。今年は自己最多を記録しそうだが、「おかわりさん」を意識して無理をすることはないだろう。

日本ハムは12球団の中でも、若返りが最もうまく進んでいるチームとみられている。糸井嘉男、小谷野栄一(以上オリックス)、鶴岡慎也(ソフトバンク)の高齢選手は移籍し、稲葉、金子誠は引退した。代わって20歳代、それもまだ25歳になっていない若手がオーダーに名を連ね、レギュラーの座を争っている。

ざっとみたところでも、投打二刀流の大谷翔平をはじめ、捕手の近藤健介、内外野の西川遥輝、中島卓也、岡大海ら。つい最近まで若手扱いだった28歳の捕手大野奨太、外野手陽岱鋼らは、チーム内ではベテランとみられるほどだ。この若いチームを引っ張るのは、26歳の中田をおいて他にいない。「おかわりさん」や外国人勢とのタイトル争いで火花を散らすとともに、球史に残る打者になって、球界を盛り上げなければならない。

 中田翔(なかた・しょう) 1989年広島県出身。2008年、大阪桐蔭高から高校ドラフト1巡目で日本ハム入り。4年目の11年から1軍に定着。主に4番に座り、14年には100打点をマークして打点王になった。183センチ、100キロ、右投げ右打ち。外野手、一塁手。

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