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広島・福井、取り戻した輝き 黒田助言でたくましく

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2015/7/21 6:30
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斎藤佑樹(日本ハム、27)、大石達也(西武、26)、福井優也(広島、27)の早大トリオが、そろってドラフト1位で指名されて話題になったのが2010年秋。即戦力として期待された3右腕は最近めっきり影が薄くなっていたが、福井は今季、先発の役割を果たして輝きを取り戻している。復活の背景にはチームの精神的な支柱、黒田博樹(40)の助言があった。(記録は19日現在)

1年目に「怖いものなし」で8勝も…

前半戦最後の登板となった12日の中日戦(ナゴヤドーム)。福井は打たせて取る投球でゴロの山を築き、「後半戦にいい形で入れる」と納得の8回4安打無失点の好投を見せた。打線の援護に恵まれずに白星はつかなかったが、今季を象徴する安定した投球内容だった。

開幕から先発ローテーションの一角に加わり、ここまで11試合に投げて6勝2敗、防御率3.22。規定投球回数には届いていないが、6回以上投げて自責点3点以内の「クオリティースタート」は11試合中8試合で達成した。8勝(5敗)のエース前田健太(27)、6勝(4敗)の黒田、7勝(4敗)のクリス・ジョンソン(30)とともに12球団トップクラスの強力な先発投手陣を形成している。

福井の今季成績(19日現在)
日付相手勝敗自責
4・5中日-62
4・17中日70
5・3ヤクルト2 2/34
5・10阪神71
5・17DeNA6 2/31
5・24ヤクルト-45
5・31オリックス7 1/31
6・7楽天71
6・14ソフトバンク3 1/37
7・2巨人82
7・12中日-80

岡山県出身。愛媛・済美高2年の時に、エースとしてチームを甲子園で春優勝、夏は準優勝に導くという輝かしい実績を残した。巨人から05年高校生ドラフトの4巡目で指名されたものの辞退、1年の浪人を経て早大に入学した。東京六大学リーグで通算11勝を挙げ、周囲の期待に応えてプロ1年目に8勝(10敗)をマークした。1年目は遮二無二突き進み、「何も知らず、無敵というか怖いものなしだった」と振り返る。

「試合つくることに集中しろ」と黒田

だが、プロの世界を知っていくことで、2年目以降は暗転する。「いろいろ勉強してわかるようになったら、怖さが出てきた。(自分の力は)こんなものじゃないと思いながらもダメだった」。球威のある150キロ近い直球をはじめ、スライダーやフォークなど球自体はいいものを持っているのに生かしきれない。1年目にリーグワーストの68四球を与えたように制球に難があり、四球から崩れる場面が目についた。

福井の年度別成績
試合防御率
2011278104.12
1217234.30
1312028.69
1411454.35
1511623.22

(注)15年は19日現在

12年は2勝、13年は1勝も挙げられず、14年は後半に入って活躍したものの4勝どまりだった。「毎年毎年、勝負と言っているけれど、結果で示したい」。危機感を胸に復活を期した今季。大リーグから8年ぶりに広島に復帰した黒田にアドバイスを求めると、その言葉が胸の奥に突き刺さった。

「120点を目指しているからダメなときはダメなんだ。投手に完璧はないし、100点満点を目指さなくてもいい。試合をつくることに集中しろ」

今季は右足首などに故障を抱えながらもマウンドに立ってきた黒田は「ここ何年か100%の状態でマウンドに上がれることはない。いいときばかりではないし、欲をいえばきりがない」と語ったことがある。制球が定まらない球種があったとしても、逆にボール球として利用しながら、そのときそのときの状況に応じて修正を重ね、自分が今できるベストを尽くすのが黒田の流儀。「完璧なピッチングをめざしていた」という福井は、百戦錬磨のベテランの助言が身に染み「精神的に安定してきたというか、楽に考えられるようになった」と話す。

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