フルスイングの余韻(山崎武司)

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楽天・松井裕、クローザー成功に潜む怖さ

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2015/7/19 6:30
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結果だけで判断できないのは選手を見るときにも当てはまる。野手の場合、ホームランやヒットを打ったときの映像だけを見ても選手のレベルは分からない。いい打撃をしたときは2軍選手でも良いフォームで打てている。

打者のレベルを知る最もいい方法は、球の「打ち方」ではなく「見逃し方」を見ることだ。未熟な打者の見逃し方というのは落ち着きがなくバタバタしている。逆に好打者は悠然と見送る。自分の間合いで見送れるようになると安定して成績を残せるようになる。

インパクト改善、今年の筒香は本物

最近ではDeNAの筒香嘉智。昨年の春季キャンプで見て「インパクトで力が抜けていないか?」と聞いたら「抜けています」と言う。僕も現役時代に心当たりがあったから、参考になればとアドバイスをした。それでというわけでもないだろうが、今年のキャンプでは別人になっていた。球の見逃し方、打つときの間合い、力強いインパクトなど、これは間違いなく活躍すると確信した。今年の覚醒は本物だ。ホームランを打ちまくるタイプではないが、首位打者を取る可能性は十分にあるとみている。

ソフトバンクの柳田悠岐も下半身の使い方が昨年より大幅に良くなった。機会があればボールを待つときの軸足(左足)を注目してほしい。どっしりとした安定感は昨季まではなかったものだ。もっとも、あのほとんどメチャクチャともいえるフルスイングで3割7分前後も打つとは予想できなかったが……。

一般的には知られていなくても、自分が評価していた選手が活躍するのは解説者冥利だ。今年はドラフト7位で中日に入った新人の遠藤一星だ。良い選手だと思っていたら、最近1軍でいい働きをしている。すぐに疲れが来て長続きはしないだろうが、それでいいのだ。良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、選手は徐々に成長していくものだから。

正しかった「角中少年はプロになれる」

意外に思われるだろうが、僕の最高の"掘り出し物"は実はロッテの角中勝也なのである。随分昔、石川県で開いた野球教室に角中少年が交じっていた。彼の素晴らしい打撃センスを見て僕は「君すごいな。将来プロになれるぞ」と喝破した、ということだそうだ。

野球教室で出会った少年は数え切れない。もちろん僕は覚えていなかった。僕がそう言ったというのを角中のお父さんが聞いて喜び、知り合いに話したのが巡り巡って僕の耳まで届いたのである。角中に会ったときに本当にそうなのかと聞いてみたら、その通りだという。角中は首位打者を獲得するほどの打者に成長した。俺の目は間違っていなかった、とひそかな自慢になっている。

(野球評論家)

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