ヤフーとソニー、中古住宅の個人売りに挑戦

2015/7/15付
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日経アーキテクチュア

ヤフーとソニー不動産は、中古住宅売買などの不動産関連事業で資本・業務提携契約を締結した。ヤフーはソニー不動産に18億円を出資。2015年内には、ウェブサイト「Yahoo!不動産」上で新たに不動産売買プラットフォームを共同開発し、中古住宅を所有する個人が自ら価格を決めて売り出せるようにする。両社の契約は2015年7月2日付。

ヤフーがソニー不動産に提携を持ちかけたのは2014年9月のことだ。ヤフーは「Yahoo!不動産」の閲覧者数を増やして広告収入増につなげるため、新たなサービスを加えることを検討していた。「中古住宅市場を活性化させたいという目的が一致し、かつ従来の常識にとらわれないソニー不動産と組むこととした」(ヤフー広報室)

■住宅を個人で値付けして売り出せる

両社は、売買仲介やリフォーム・リノベーション、賃貸管理など複数のサービスを開発していく。注目は、中古住宅の売買サービスだ。中古住宅を所有する個人が自ら価格を決め、無料でネットに物件情報を掲載できるというもの。買い手はサイト上で自由に情報を閲覧、比較して中古住宅を購入できる。

ただし契約までにいたる具体的な流れや手数料に関しては現在、ソニー不動産とヤフー、国土交通省で協議中だ。ソニー不動産企画管理部の担当者は、「宅地建物取引業者としての義務を果たすには、内覧など早い段階から関わる方がいいが、あまり初期段階からすべて関わっては通常の不動産取引と変わらなくなってしまう。中古住宅を売る側の利便性も考慮しつつ、契約までの流れを検討する」と話す。ウェブサイト上だけで売買契約が成立することはないと言う。

手数料は、従来と比べると仲介会社による販促などの手間が大幅に減らせることから、売り主に対しては割安に設定される可能性が高い。一方、買い手にどの程度の手数料を設定するかは、法定上限額の範囲内で今後決めていく。

ソニー不動産の担当者は、「これまで中古住宅を所有する人は不動産会社を通さないと売り出せず、不動産会社に査定から販売まですべてを委ねていた。そこで、売り主が自ら値段を決められる消費者主導の方法を新たな選択肢として提案すれば、一定のニーズがあると考えた。ヤフーも共通認識を持っていた」と話す。

現在、政府は2020年までに中古住宅の流通市場や、リフォーム市場の規模を倍増させる目標を掲げる。そうした背景のもと、ヤフーとソニー不動産の両社は、ネットを使った新サービスによって、これまで所有物件を売るのに躊躇していた潜在層を掘り起こすことを狙う。15年中に開設する新規プラットフォームは、初めは東京都内の6区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、品川区、江東区)にある中古マンションを対象にサービスを開始する。順次、23区に拡大する予定だ。

(日経アーキテクチュア 菅原由依子)

[ケンプラッツ 2015年7月14日掲載]

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