2019年6月19日(水)

起業家の憂鬱 デジタル断食のススメ

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2015/7/9 6:30
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VentureBeat

米国の独立記念日である7月4日の私の気分は爽快だった。だが、そうは思えない多くの起業家がいることを知っている。彼らは強い圧力にさらされ、ひっきりなしに到来する事態を心配し、詐欺師症候群(自分の成功や功績を実力だと信じられない状態)や他の要因による不安の重さに苦しんでいる。うつ状態に陥っている場合もあるが、うつ病を恥とみなす固有の文化のせいで身動きがとれなくなっている。

■約半数が病気に

ベンチャー起業家の集い「スラッシュ」の会場内の様子

ベンチャー起業家の集い「スラッシュ」の会場内の様子

米オンラインニュースのビジネスインサイダーで記者を務めるビズ・カーソン氏は、「スタートアップにある負の側面が世界で最も優秀な人たちの30%を苦しめている」(1日付)と題する優れた記事を執筆した。この記事はオースティン・ハインツ(米カンブリアン・ゲノミクス創業者)の自殺を皮切りに、起業家のうつ病について様々な考察を盛り込んでいる。

記事では、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の臨床学教授で起業家でもあるマイケル・フリーマン博士による最近の研究を紹介している。この研究は精神疾患の発症率の高さを起業家精神と初めて関連づけている。

調査の対象となった242人の起業家のうち、精神疾患があると報告したのは49%に上った。最も多い疾患はうつ病で全体の30%に見られ、注意欠如・多動性障害(ADHD)が29%、不安障害が27%で続いた。この比率はうつ病と診断されている人が約7%にとどまる米国の人口全体を大きく上回る。

私は過去25年に及ぶうつ病と不安障害との格闘を広く公表しており、今回の記事にも引用されている。ところが、(妻の)エイミーが昨日の夕食後、幼なじみの息子が自殺したことをフェイスブックで知った。うつ病などの精神疾患はまん延しており、祝日前後に極めて過酷な状況に陥る場合が多いことを改めて思い知らされた。

私はかつて3連休や大型連休と悪戦苦闘していた。他の世界はのんびりしているのに、自分へのプレッシャーはさらに強くなっているように感じたからだ。みんなに腰を上げ、リラックスするのをやめ、自分のメールに返信してほしかった。イライラが募り、目の前にあるのがどんな問題でも対応を月曜日まで待ちたくなかった。私はうろたえ、それがさらに不安を募らせた。うつ病の症状が現れているさなかには、時間は残酷な形で目の前で延々と伸びていくばかりだった。

かつてはクリスマスの時期にとりわけ不機嫌だった。私はユダヤ系なのでクリスマスで育っておらず、ハヌカー(ユダヤ教の祝賀行事)は友達みんながプレゼントに熱狂するなかで、ユダヤ系の子供の不満を抑えるためにつくられた愚かな祝日だと常に思っていた。孤独感やみんなと違うという感覚が、祝日前後の全般的な不安や焦りをさらに増幅させた。

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