2019年3月19日(火)

経団連加盟企業が明かす フライング面接の現場

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2015/7/9 3:30
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就活生100人突撃アンケートを進めていくうち、よくこんな学生のコメントを耳にした。

「あそこの企業はもう選考が進んでいるみたい」

「銀行とか商社とか、すでに内定を出したらしい」

今年から日本経団連に加盟する大手企業は、例年より4カ月遅れの8月1日に採用選考が解禁されるルールになったはずだ。学業の妨げにならないように、と新ルールが適用されたのに、もしフライングがあるとしたら、就活生が疑心暗鬼になるのもうなずける。

「面談」の控室には学生たちが待機していた。探偵を電機メーカーの社員と勘違いする学生もいた

「面談」の控室には学生たちが待機していた。探偵を電機メーカーの社員と勘違いする学生もいた

■善意の情報提供者

そんな時、探偵団にある情報提供者が現れた。経団連加盟の電機メーカーの人事担当者だ。

「ウチでは『面談』というスタイルで明日から選考を始めます。現場に立ち会ってみますか?」。えっ、まさか……。8月1日の解禁までまだ1カ月もあるのに。さっそく7月に入ってすぐの平日、指定された東京都内のある有名ホテルに足を運んだ。

高級ホテルのロビーは、これからレストランの料理を楽しもうという50歳代女性たちでにぎやかだ。ロビーを見渡すと片隅に「○○株式会社 個別面談会」と書かれた案内が表示されている。会場のあるフロアに着くと「関係者以外、立ち入り禁止」の立て札。案内係らしい女性に名乗ると、一室に通された。

人事担当者が出迎えてくれたのは、いきなり核心の現場だった。部屋からはちょうど、面接官とみられる男性社員と、女子学生が出てきた。面接が終わったのだろうか。「次の面談までにすこし時間があるので、中をご覧ください」。人事担当者に促されて部屋に入った。

4メートル四方程度の部屋には、ふかふかのカーペットに高級そうな調度品が並ぶ。長机がひとつ置かれ、両側をそれぞれ2脚のいすが挟む。机の上に大量の資料が乱れなく並べられている。おそらく学生が提出したエントリーシートだろう。さきほどの面接官とみられるノーネクタイのクールビズスタイル30歳代の男性社員2人が戻ってきて着席した。意外と開けっ広げな雰囲気だ。それでもこの狭い空間で学生の進路が決まってしまうと考えると背筋が伸びる。

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