[FT]プエルトリコ、債務不履行目前(社説)

2015/7/2付
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米国自治領プエルトリコとギリシャを比較することは大げさすぎる。プエルトリコが米ドルを放棄するとか米国から離脱すると言っているわけではない。だが、自治領が抱える債務は持ちこたえられるような額ではない。加えてプエルトリコは米国の州ではないから連邦破産法第9条(チャプター9)の適用を受けられない。

■米の自治体としては史上最大に

プエルトリコの債務は720億ドル。これは米国の自治体が抱える債務全体の3.7兆ドルに比べると少ないが、このままでは米国の自治体としては歴史上最大の債務不履行の例になってしまう。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ決定の時期にも影響を及ぼすかもしれない。

オバマ政権は今週改めて公的資金投入による救済はしないとの姿勢を明らかにした。それは正しい対応ではあるが、プエルトリコは多くの独自の問題を抱えている。債務は歳入の100%に達する。これは米国の州の平均の10倍だ。経済状態も本土に比べ悪い。人口350万人のうち働いている人は40%にすぎない。人口は年1%ずつ減少、島よりも本土に住むプエルトリコ人が多い。

国際通貨基金(IMF)の元首席エコノミストのアン・クルーガー氏はプエルトリコの肥大化した公的部門の改革とひきかえに債務救済を講じるしか道はないと指摘した。

長期的には米国は自治領の州への格上げを検討すべきだが、今は短期の解決策が求められている。

議会がプエルトリコに連邦破産法第9条に基づく交渉を認める法律を可決すべきであることは明白だ。だが、共和党の支持なしには審議は進まない。法案に反対する人たちはプエルトリコへの貸付の条件をさかのぼって変更してしまうとしている。しかし、ほかの対応策はそれに比べずっと悪い。全面的な債務不履行は米国の自治体全体の借り入れコストを引き上げてしまう。

進むべき道ははっきりしている。議会はプエルトリコに対しデトロイトと同じ救済策を認めるべきだ。自治領は財政を立て直す代わりに、債務についての再交渉を認められるべきだ。

(2015年7月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

(c) The Financial Times Limited 2015. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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