2018年11月14日(水)

街に溶け込めるか グーグル自動運転最新版、ITの聖地へ
宮本和明 米ベンチャークレフ代表

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2015/7/27 6:30
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屋根の上には回転灯のようなカプセルがあり、ここにLIDAR(レーザー光センサー)を格納している。LIDARは、クルマの周囲360度にあるオブジェクト(物体)を高精度で捉える。車体正面の“鼻"の部分には、ミリ波レーダーを搭載し、前方の車両などとの距離を検出する。

Prototypeはカメラを搭載し、オブジェクトの形や色を検出する。信号機の色や道路に置かれたオレンジ色のコーン(三角錐)などを把握する。下の写真は、Prototypeが道路コーンで囲まれたレーンを高速で走っている様子。カメラで捉えたイメージを高速で処理し、正しく認識していることを示している。

出典: Google

出典: Google

■外部企業に製造委託

Prototypeは、Googleが設計・製造の責任を負っているが、実際の製造は米国のRoushという企業に委託している。Roushは、ミシガン州のリボニア市に拠点を置く企業で、自動車の設計やプロトタイプの製造などエンジニアリングサービスを提供する。Prototypeは、Roushのデトロイト工場で製造されている。

下の写真は製造ラインで、Prototypeが組み立てられる様子。パワートレインなど主要部品は、ドイツBosch(ボッシュ)から供給を受けている。さらに、ブレーキ、タイヤ、インテリアなどの設計は、ドイツContinental(コンチネンタル)から支援を受けている。Googleは2015年末までに、100台のPrototypeを生産する予定である。

出典: Google

出典: Google

■空軍基地で試験を重ねる

Googleは2014年から、使われなくなった空軍基地でPrototypeの試験を重ねてきた。基地内にはさまざまな施設があり、小さな町のようになっている。ここで路上で起こる様々な障害を再現し、Prototypeの機能を検証した。

路上ではめったに起こらない障害でも、試験場では何回も再現できる。特に、歩行者や自転車への対応が重点的に試験された。歩行者が道路に飛び出してきたときや、自転車が反対車線を走行しているときなど、Prototypeがいかに事故を回避するかが検証された。

歩行者は傘をさしたり、バランスボールを抱えたり、ヒトとは分かりにくい恰好でPrototypeの前を横断し、それを正しく歩行者と認識するかどうかもテストした(下の写真)。Prototypeは機械学習の手法で人工知能の高度化を図っており、考えられる全てのケースを示し、教育する必要がある。

出典: Google

出典: Google

一般に、自転車がクルマの前に飛び出すのは、1000マイル(1600キロメートル)走るごとに1回起こると言われている。試験場ではこれを再現し、1週間に100回の試験を実施した。Prototypeをシミュレーションし、仮想で試験する手法も採用した。

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