土砂災害を早期予測、NECが島根県で実証実験

2015/6/30付
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日経テクノロジーオンライン

NECは2015年6月29日、土中水分計や振動センサーを用いて土砂斜面の崩壊の危険度を予測するシステムの実証実験を島根県津和野町で開始すると発表した。津和野町は2013年7月に豪雨の影響で河川の増水や土砂災害などの被害を受けて以来、災害対策の整備を進めている。今回の実証実験はその活動の一環という。同社は今回の実証でシステムの精度や有効性を検証し、2015年度中の実用化を目指す。

危険予測システムのセンサーと中継装置

危険予測システムのセンサーと中継装置

今回の実験では同社が2014年4月に発表した、土中の水分量から土砂斜面の崩壊の危険度を把握する解析技術を使用する。土中の水分量から、「土砂の重量」「水圧」「土砂の粘着力」「土砂の摩擦」といった土砂状態の指標データを算出する技術だ。従来のワイヤーセンサーや監視カメラ、傾斜センサーなどによる警戒システムよりも早期に、土砂斜面の崩壊を予測できるという。

ただし土中水分計には、長期間の測定に課題がある。電極の経年劣化や、土中における導電時のイオン移動により土質変性が生じることから、定期的な交換や測定場所の変更が必要になるからだ。そこで同社は、土砂が物体と同様に重量・構造・材質などの性質によって異なる振動特性を持つ可能性があることに着目。土砂の振動特性と、「土砂の重量」「水圧」「土砂の粘着力」「土砂の摩擦」に相関関係があることを発見した。振動特性を計測する振動センサーは、センサーの劣化や周囲を変性させる影響が生じないので長期間の測定に向いている。このため将来的には、振動センサーが土中水分計に代わる手法になると見込んでいるという。

今回の実験では、土中水分計と振動センサーの両方を設置。土中水分計によるシステムの精度や有効性を検証するとともに、振動センサーで明らかにした振動特性と発見した相関関係からも斜面の危険度を把握できるかを検証する。

(日経テクノロジーオンライン 中島募)

[日経テクノロジーオンライン 2015年6月29日掲載]

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